"消えた子役の日記帳" 第5話
15止まっていた事件の歯が、再びきした。
再捜査に入って2週、は徹を訪ねた。
は介護施設にいた。かつての若い照係は、を取り、病に伏していた。
最初、は固くを閉ざした。
だがが、翔太の記帳にかれた言葉を静かに読み聞かせると、の目から涙があふれた。
「あの……あの倉庫で、監督が子どもを引きずって入っていくのを見たんです」
は嗚咽しながら体を震わせた。
「私は、を受け取ってしまった。脅されて、黙ってしまったんです」
は15の罪悪を、ようやく吐きした。
次には、故郷で寝込んでいた佐藤を訪ねた。
佐藤もまた、震える声で証言した。
「あの夜、黒監督がだらけのとスコップを倉庫の裏に隠していたのを見ました」
そして、脅された経緯もすべて話した。
2の証言を得た捜査チームは、黒監督を参考として呼びした。
マスコミは「国民演への疑惑」と斉に報じた。
しかし、黒は揺らがなかった。
「は過にみを抱いている男です。記帳は幼い子どもの空に過ぎません」
彼は静に言い切った。
さらにきな壁があった。
昭60に起きたこの事件の公訴効が、平成12のに迫っていた。
残されたは、わずか2ヶだった。
黒監督側は、続きを引き延ばす戦略を取った。
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弁護士団は、記帳の証拠能力を疑い、や佐藤の証言の信用性を攻撃した。
「子どもの記は空にすぎない」
「老の記憶は曖昧だ」
「遺留品は誰でも持ち込める」
だけが過ぎていく。
層部の部からは、に対して捜査を緩めるような圧力もかかった。
それでもは引きがらなかった。
彼はかつての撮所の敷、コンクリートで埋められた具倉庫のへの発掘令状を取り付けた。
発掘当の朝、空はく曇っていた。
正と健は、現の隅で掘削の音を聞いていた。固まったコンクリートが砕かれ、そののセメント層がしずつ掘り返されていく。
誰も声をさなかった。
2ほどが過ぎた頃、作業員の1がを止めた。
「何かあります」
その声に、捜査員たちが斉にづいた。
コンクリートのから、さな骨が姿を現した。
さらに、翔太が消えたに履いていた、もう片方のいズック靴も見つかった。
正はそので膝を崩した。
「翔太……」
声にならない声が、喉の奥から漏れた。
遺骨のそばには、に朽ちかけた鞄の切れ端もあった。そのには、黒監督が当持ち歩いていたものと確認される、彼のイニシャル入りのライターが入っていた。
15もの、たいコンクリートのに埋もれていた子どもが、ついに世のに姿を現した瞬だった。
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現の捜査員たちは子を脱ぎ、をげた。
はのそばに膝をついた。
2はい、ちがることができなかった。
発掘から5、DNA鑑定により、遺骨が翔太であることが確定した。
事件は単純な失踪から、殺事件へと切り替わった。
世論のりは、黒孝志監督へ向かって炎のように広がった。
その直、正は、母と緒に葬されている姉の墓を訪れた。
墓のにアンパンを供え、両をわせた。
「姉さん、もうすぐ翔太を連れて帰るからね。もうしだけ待っててね」
肩が細かく震えていた。
方、記者たちのに現れた黒監督は、ふてぶてしい顔で言った。
「私は無実です。私もまた、子どもを失った被害者なのです」
その姿は、々のりにさらにをつけた。
弁護団の反撃は激しかった。
「ライターなど、誰でも紛失するものです」
「埋められた期も特定できません」
「記帳は証拠になりません」
参考の徹には、再び圧力がかかった。法廷での証言をに、の病状は悪化していった。
さらに、何者かが介護施設を訪ねた、は言葉をめた。
「記憶がぼやけているんです。確信が持てません」
佐藤のもとにも脅迫話があった。
「子どもや孫の全を考えろ」
佐藤は、証言をためらうようになった。
公訴効の満まで、残り半。
捜査チームは、かぬ物証を確保できなければ、すべてがの泡になる瀬戸際に追い込まれていた。
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