みかん小説
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"竹林の黒い水" 第3話

「夫は1989に女と逃げたのでは?」

元がわずかに震えた。

々、こっそり来たんです。おをよこせと」

その田が取調から黒田を呼んだ。

「班、佐藤修活反応がありません。19897、医療保険も通信もクレジットカードも全部ゼロです」

黒田の目がった。

佐藤修は、逃げたのではない。

12、この世から消されていた。

の再捜索で、鑑識班は遺体発見現から、頑丈に溶接されたドラム缶を見つけた。

にはに包まれたビニール袋があり、そのから古いいシャツとシャベルがてきた。

シャツには変した血痕が残っていた。シャベルも保状態が異常に良かった。

鑑定の結果、シャツの血液は佐藤修、シャベル表面の血液は父の満蔵と致した。

証拠だけを見れば、修が父をシャベルで殴り殺したことになる。

しかし黒田は納得しなかった。

証拠がいすぎている。

まるで、警察が見つけるを待つために保されたタイムカプセルのようだった。

そのの夕方、ニュースでは佐藤修の顔写真がきく映しされた。

「12、両親を殺害した疑いで、佐藤修容疑者を全国に公配しました」

翌朝、警察に1本の報提供話が入った。

吉のの廃に、ニュースの男に似たやつが隠れています」

話はすぐに切れた。

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発信元は公衆話だった。

同じ頃、吉はテレビ局のスタジオに座り、涙を流していた。

「夫が本当にあんな恐ろしいことをしたなんて、にもいませんでした。あなた、きているならてきて罪を償ってください」

は吉に同し、修を罵った。

だが2、音声分析の結果がた。

報提供の話は、械でく変えた女の声だった。

発信所はの公衆話。吉がその、買い物をしていた所のすぐそばだった。

夜8りの、黒田は特殊部隊を率いての廃に踏み込んだ。

奥の部の隅で、布団をかぶって震えている男がいた。

「佐藤修さんですね」

男は怯えた目でうなずいた。

伸びた髭の奥に、公配写真の面があった。しかし彼のは綺麗で、爪は切りそろえられ、逃者のではなかった。

警察署で靴を脱がせると、黒田は息を止めた。

首に、かせのような古い傷跡が丸く残っていた。

は逃げていたのではない。

誰かに閉じ込められていたのだ。

取り調べで、修はうなだれたまま同じ言葉を繰り返した。

「俺がやりました。親父を殴りました。のためです」

だが、黒田がシャベルの形を聞くと、修の目は泳いだ。

「普通のシャベルです」

「刃は尖っていましたか。平らでしたか」

瞬、部にいる吉の方を見た。

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「平らでした」

黒田は証拠写真を机に置いた。実際のシャベルは、先が尖っていた。

その、吉を取調に入れると、修子から滑り落ちるようにへひれ伏した。

「悪かった。悪かった」

額をに打ちつけて謝る姿は、夫が妻に向ける態度ではなかった。

虐待された犬が、主に許しを乞う姿だった。

「警察の方々に、本当のことを話しなさい」

が優しい声で修を握ると、修は魂の抜けた声で罪を認め始めた。

黒田は吉を部からし、修づいた。

「あの廃にはいつからいた」

「……数です」

「誰が連れてった」

を閉ざした。

2、廃の鑑識結果が届いた。修が滞した痕跡はくても2分しかなかった。

黒田は農の第2次捜索令状を取った。

翌朝、捜査官たちは農の古い倉庫を調べた。隅に積まれた械部品をどかすと、板のから真っ黒な穴が現れた。

セメントの階段がへ続いていた。

黒田が懐灯を持ってりると、カビとアンモニアの匂いがを刺した。は、成男性が腰をかがめなければならないほど狭かった。

壁には爪で刻まれた付がびっしり並んでいた。

「1989730

「198981

「198982

それは12続いた絶望の記録だった。

隅には鉄の鎖が打ち付けられ、先にはかせがついていた。修首の傷と同じきさだった。

さらに、薬瓶が見つかった。処方名義は斎藤吉力な精神定剤だった。

カビた箱のからは、ノートが何冊もてきた。

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