"たばこを買いに来るおじさんの心の声が、俺にだけ聞こえる" 第11話
俺はまだ諦めてなかったよ
もう度会うまでかはかかるとった。曜の夕方、駅裏でラーメンをべようとして、簾の隙から蒼介さんのを見つけた。でコップを支え、袖を回半折っている。初めてたばこを買いに来たと同じだった。あと半秒見て、向かいに川怜がいると分かった。
怜さんのにはカフェのチケットが枚。枚押ししても彼は取らなかった。声は聞こえない。主が俺に気づいて簾をげたから、用事がある、また来ますと慌てて言った。駅へくまでにスマホを度した。度はあるんだと聞きたくて、度はよりを戻したのかと聞きたくて、度目にようやく、来ないでと言ったのは俺なのに、今は振り返ってほしいだけだと気づいた。
勤しても送らなかった。銭をすつもりでポケットを探るとの鍵を握っていた。に空き箱を渡され、段のお菓子を並べ直した。怜さんはチケットを引っ込めるか、それとも彼があとで受け取るか考えながら、箱ずつ運んだ。
付が変わりそうな頃、川怜が来た。ブラックの缶コーヒーを取り、戻っていちごプリンをつ持ってきた。つ目を力任せに通して、ふたに傷をつけそうになった。
「今、ラーメンべ損ねた?」
「見てたんですか」
「あんな声で主に呼ばれたら聞こえるよ。
広告
蒼介が気づいたかりたいなら、気づいてた。もう会いに来るなって言われたから、追わなかったって」
スキャナーを持つを止めて、コーヒーを通した。
〈晩考えてほしかったけど、もう分考えたって言われた〉
何を考えたのかすぐ聞きたかった。先に怜さんが言った。
「今、やり直さないかって聞いた」
「なんて?」
「無理だって。すごく好きながいて、もう散々らせてしまったからって」
入がき、客が傘を持って脇を通った。赤くなるほど握っていた指を、エプロンのポケットに入れた。怜さんは客がれてから笑った。
「何か待ってと言うかとったんだ。そしたら枚、持っておけたのにね」
枚を着からして折った。「はっきりしたもんだよ」
礼を言えば勝ったみたいだし、謝るのも違う。つのプリンを袋に入れた。来たときつので両方を握っていたから、ふたにし跡がついていた。俺も告された晩、同じプリンを回通した。スプーンをもう本頼まれた。つはお母さんに、もうつは自分に。今夜はしくらい甘いものがる、と。
スプーンを取るに聞かれた。「部を探す、どこにみたいか聞かれた?」
首を振った。
「に俺の仕事が忙しいと、終は疲れるだろって部を見てくれた。帰ったらカーテンのまで決めてて。好きだったから、最初の何度かはいいよって言ったんだ。
広告
しまいには、何がべたいって聞かれただけでも腹がった」
でを背に隠した自分をいした。怜さんは、あの鍵は引っ越したに渡せたのに以持っていた、まだくか試したいもあったと言った。
「替えたって聞いたとき、腹がたなかったんですか」
「ったよ。あの、君が帰ってから話そうと分座ってた。お茶のお代わり聞かれて、あいつ、ずっとで君と話してるって気づいた。今やっと聞けたから、次あのを通ったら、杯ちゃんとべて帰れそう」
袋を持ち、「でも君は俺よりうまかった。俺が言えたのは引っ越しの。君は面と向かって、なんでって聞けた」と続けた。
「聞けても、楽にはならなかったです」
「そりゃそうだ。俺だって引っ越したに段ボールに座って分泣いたよ」
言った自分に驚いたように笑った。今度は俺も笑った。チケットをしまい、次はでむ、遅刻を待たずに済むと言った。ドアが閉まる、振り返った。
「会うなら、聞きたいことは全部聞いて。今のも、自分で言うべきことだから」
静かになったでを押さえ、台を拭いた。蒼介さんは来なかった。エプロンをすと、ロッカーでスマホが震えた。
〈謝りたい。聞いてくれる?〉
腰かけて、〈さっきなんで聞かなかったんですか〉と打って消した。この何か、あのがい麺を持って現れるのを待っていた。
ラーメンで追ってこなかったとき、本当に寂しかった。ようやく来た言葉を見て、どこで聞くか、そのあともうし緒にいたいか、自分で考えられるとった。
靴ひもを結び、つに文返した。
〈聞きます。、所は俺が選びます〉