"たばこを買いに来るおじさんの心の声が、俺にだけ聞こえる" 第10話
誰が承したか、そのに頼んで
別れて目、伯母から話が来た。週末は祖母の誕で、いつもの栗のケーキを持ってこられるかという。さい頃は祖母が迎えに来てくれて、に誰もいないと焼き魚を袋に切れ入れ、つは帰りで、つはでべろと言った。すぐ引き受け、切ってから親父も来るといした。
、親父は親族のグループに〈子どもにさせなくていい。ケーキは俺が頼む〉といた。誰も返さなかった。へ持っていくと真っ先に寄ってきて、箱を受け取ると反対のを俺の肩に置いた。
「悠真は最忙しくて、このは病院で寝てた。でも今は気にかけてくれるがいる。仕事が決まれば俺もしだ」
ケーキは伯母に渡し、肩のは気にしないふりをした。祖母が隣へ呼んだ。学の課題を見せ、今度印刷して持ってくると約束した。半分ほどべたところで、親父が叔父のグラスを満たし、折ったを元へ滑らせた。
叔父はかずに俺に聞いた。「話がついたって聞いたよ。200万、先に俺が貸して、あとは毎しずつ返してもらう。悠真も本当にいいんだな?」
つまんだ根を皿へ戻した。「何の話?」
テーブルので親父が靴に触れた。「に話しただ。叔父さんが保証するがるって。名くだけだ。のは俺が返す」
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まるでけばケーキを切れるとでもいうようだった。には親父の名と200万円。保証の欄には俺の名まで入っていて、あとは署名だけ。最の漢字は違っていた。普段メッセージでは「おい」としか呼ばないのに、こんなときはフルネームだ。
「俺がいいって言ったの、いつ?」
「さい頃、学まで送るのに毎回おの承なんか取らなかったぞ」
祖母に魚を取っていた伯母が箸を置いた。スマホをし、親父とのやりとりをいた。最にあったのは、親戚ので余計なことを言うなという文だ。叔父へ画面を向けた。
「承したっていうメッセージ、して。いくらに戻ってもいいよ」
叔父は俺のスマホに触らず親父を見た。「昨夜、悠真もってるし、あの頼れるりいもを貸すと言ったよな。送ったのを見せてくれ」
誰かが注ぎすぎたお茶が滴、クロスにしみた。親父はしばらく画面をめくった。てきたのは叔父への〈息子が放っておくわけない〉だけ。次も自分でいた〈久世さんは480万まで片づけたんだ。が買えないくらいで見放すはずがない〉だった。
叔父はを引き寄せた。注がれた酒にはもつけなかった。
「で、何で返すつもりだ」
があれば仕事を探せるという。どこで、料はいくら、いつ入るのかと聞かれ、結局、を受け取ってから探すと答えた。
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すぐこちらを向いた。
「先に名をけ。あとは何とでもなる」
ペンは取らなかった。蒼介さんから来た領収の写真を見つけ、額と受取を叔父に見せて閉じた。
「これは借りた相に直接払われたおです。恋は先に俺に聞かなかった。今、親父の分を払うことはありません。俺も保証するなんて言ってない」
「まだ恋って呼ぶのか?」親父が笑った。「別れたんだろ。もう何を偉そうにするつもりだ」
わざと言ったんだろう。俺が赤くなって言い訳をし、恋という言葉を引っ込めるのを待っていた。は親戚ので何か言われたら、まずの顔をてた。見回してみたら、みんなは親父がどう返すかを待っていた。俺の別れ話に叔父は顔もげない。
「別れたよ。200万もさない」
叔父はを元どおりに折って返した。「子どもに聞くに保証の話を持ってきたんだな。貸せない。本当に働きたいなら、倉庫で募集してる。、番号を送るよ」
親父はを押し込み、もう腹いっぱいだとった。入で振り返った。さい頃にがっかりさせると、俺が追って謝るまで、ああいう目で見た。今もった。カウンターでナイフを借り、栗のケーキを切って、最初のつを祖母に運んだ。
栗はつあげると祖母が言った。番きいのを皿へ戻した。親父の分は取っておくかと聞かれ、つ置いて、腹が減ったら自分でべてもらおうと答えた。
祖母はうなずき、卒業も横浜にみたいかと尋ねた。今度はく話した。やりたい仕事も、いつか広い台所の部を借りたいことも。
おきになってへると、親父がっていた。付を入れたのに、おのせいで全部無駄になったと言った。
「戻るかどうか、自分でに聞いて」
「は助けてくれたじゃないか」
祖母にもらった半箱のケーキを持ち替えた。「そうだね。だから借りるに、度も俺に聞かなかったんだろ」
それからに乗った。親父は追ってこず、話もなかった。蔵庫にケーキを入れたら、いちごプリンがつっていた。最に蒼介さんがへ来るに買ったものだった。
しばらく蔵庫のにち、プリンをして、自分のスプーンを取った。