みかん小説
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"たばこを買いに来るおじさんの心の声が、俺にだけ聞こえる" 第9話

俺はもう来ないって、に言ったんですか

「自分が代わりに決められるって」

表の自分の名を見た。聞き違いかと真っ先にった。あのだけ先に帰れと言ったのかもしれない。ので待ってるって言ってくれたのに。

は言い争わず、確認のサインをするようペンをくれた。「あなたのシフトは誰にも渡してない。ここに名があるのはあなた。変えるなら自分で言って」

力が入りすぎて、が破れた。直が認めて、ようやく息がつけるとった。分もしないうちに、シフトを取り戻して、代わりに辞めさせられかけたことまでった。

はペンのキャップで破れたところを押さえ、曜はるのかと聞いた。面接がなったら直でも代わりを探せるという。棒扱いが終わったら、晩く寝ようとっていた。今は自分で選んだ最までたい。残して、と言うと、は休めとは言わず、表をファイルに戻した。

スマホがった。運転していた、のにいる、何かべにく? 分待ってと返し、着替えながらメモをした。折り目がくなっている。ペダルを踏んでごみ箱をけ、結局また裏に挟んだ。

は肩にあった。蒼介さんは助席側で待ち、がりのに俺がるとドアをけた。乗らずに聞いた。

「俺はもう来ないって、に言ったんですか」

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ドアにを置いて俺を見る。その数秒が「うん」よりかった。

「お父さんがあんな騒ぎを起こして、みんなので指までさされた。あのに戻ることないとった」

「それで辞めるって?」

「最初は何かしてほしいと。悠真が承してるのか聞かれて、もう戻らない、俺から話せるって言った。あのときは、本当にうんと言うとってた」

に聞かれたとき、俺に聞いてくれと言えた。その先まで言ってしまった。

「この、授業も何にレジをれたか考えてました。品ししながら、親父ののことで噂されて。今やっと分かったのに、もうあのにかなくていいって言うんですか」

「悠真、にいくらも稼げない仕事だろ。減るのが配なら、俺がその分すよ」

「いくらすんですか」

本当にこっちを見た。俺が額を言うのを待っているみたいな顔で、ぶつけようとっていた言葉も忘れた。

「おじさん。俺が欲しいのがバイト代だったら、今ので話はついたんですか」

その顔から、ようやく確信みたいなものが消えた。

「額の話をしたかったんじゃない」

「俺が棒だとわれたって話をしたら、最初にあの仕事がいくらになるか考えたじゃないですか」

唇がいたけど、声はなかった。最初のラーメンでチャーシューを全部俺にくれたのもこのだ。

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あの、注文するときに俺が何度値段を見たかまで気づいたのに。どうして今度も、てくるのはの話なんだろう。

から袋をした。向きで学まで駅の部の写真。俺がで台を触って、買わなかったのに似たライトまで載っていた。

「か借りた。お父さんは今の所ってるし、別のところなら数は眠れる。帰りたくないなら、荷物は運べばいい」

い輪のついた鍵もてきた。裏に所をいて鍵を見分ける癖までっている。その気遣いが、余計につらかった。をろに回した。

「俺が今の部を好きかもしれないといました?」

「壁がい。の子を引く音で晩眠れなかったって」

「あれ、話したかったんです。次に眠れたか聞いてくれればよかった。つ愚痴を言うたびに何か取り替えられたら、俺、次は何を話せばいいんですか」

のが元を通った。鍵を握り、借を返したことまでっているのかと聞かれた。そうだと答えた。きすぎる額だ。病院でふたを緩めてをくれたも、疲れてるんだと分かってくれたとき抱きつきたかったことも覚えている。それでも、もう来のむ所を決めているとうと、次に何を言えばいいか分からなかった。

「おじさん」

しばらくそう呼んでいなかった。彼がこちらを向いた。

「もう、俺のことは放っといてくれませんか。今はで帰りたい。も自分で仕事にきたい」

「俺たちは?」

袋を押し返した。置いて話そうと言いかけた。には乗りたかったし、は今もつなぎたい。でも置けば、きっと先に彼が傷つくのが怖くなって、全部いいと答える。

「いったん別れましょう。もう、がるのを待ちに来ないで」

半歩、づいた。ろに回したさし指が、自分の爪で痛かった。彼はそこから来ず、けていたドアを閉めた。

同じで横断歩まで戻り、赤信号回分待った。ろから音は来なかった。

翌晩2317分、客が卵をパック買った。つい自ドアを見ると、銭を押ししながら、誰か待ってるのかと聞かれた。

いいえ、と答えて釣りを渡した。見直しても、入は空だった。

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