"たばこを買いに来るおじさんの心の声が、俺にだけ聞こえる" 第8話
そのの分も流してください
直はそう聞くなり更へ向かった。藤野が呼び止め、引継表の照がまだだと、俺と直を奥へ呼んだ。じゃだめかと聞かれても答えず、カーテンをげて待っていた。
事務所には子がつ。とも座らなかった。直は布バッグを元に置き、今度は自分を疑うのかと聞いた。
「先にの話、聞いたら」
「聞くことないだろ。昨、がてくるににいたのはおだけ。ほら」
スマホで数秒の画をいた。防犯カメラのモニターを撮ったもので、角には事務所の欠けたいカップが見えた。カウンターのの俺が引きしのほうへを伸ばし、そこで途切れた。
昨夜、と直は正面の映像で刻を確認した。いつ撮ったのかはらない。俺がを伸ばしたのは釣り銭トレーだ。画面が寄りすぎて台の端が切れ、肩とげたしか残っていない。
「これ、何に見せた?」
「グループには送ってない。おの顔はててやっただろ」
礼でも待っていそうだった。スマホの刻を指して、を見た。
「そのの分も流してください。正面でりなければ横も緒に」
はつの映像を並べ、ドアがく瞬で数秒のずれをわせた。正面では俺がトレーを押さえている。親父のに押されて揺れたところだ。
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親父が台を叩き、俺はからへた。しばらく正面は親父に隠れたが、横からは倉庫への細い通が見えた。
そこへ直がてきた。
引継表は持っていない。を垂らし、で引きしを半分けた。数秒、親父のほうを度見て、茶封筒を取りす。つに折り、エプロンのポケットへ押し込んだ。親父がまた声を張る頃には、奥へ戻っていた。
が折るところで止めた。封筒のに黒い斜線。予備の釣り銭と混ざらないよう、の担当がいつも引く印だった。
「見ただけです。あとで戻しました」
「何頃? そこまで流すから」
直は答えなかった。これを見たら昨夜からみ込んだ言葉を全部ぶつけるとっていた。実際に浮かんだのは、レシートを逆に入れた午だった。笑わず、古いロールで何度も教えてくれた。そのが今度は、俺なら押しつけやすいとった。どちらも同じだった。
バッグのを聞かれ、直はバッグのを握った。やがて自分でエプロンをした。きれいに畳まれているのに、ポケットの茶封筒はしわだらけだった。だけ使って、料がたら埋める気だったという。最は俺の目を避けて、「こんなことになるとわなかった」と言った。
「じゃあ、昨夜なんで俺を指したの」
細い持ちが、くなるほど指にい込んでいた。
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「おの親父が、ちょうど揉めてたから」
続きを待ってもなかった。「そっか。それも覚えといて。俺がに困ってるっていたとき、自分もそうだとは付けなかったよね」
はので8万円を数え、戻った刻を記録した。映像と引継表を保し、の対応が決まるまで直はシフトからすと言った。それから、グループにいたことは自分で訂正するよう求めた。直が〈昨は誤解がありました〉と打つと、が止めた。
「グループで悠真の名をしたでしょ。今も名をして」
今度は〈引継を取ったのは俺です。悠真はのおを取っていません。のき込みに根拠はありませんでした〉といた。しばらく誰も返事をせず、やがて、昨晩何かに個別で送った画は何だったのかと聞かれた。直のが止まった。を省いた映像で、悠真を疑う根拠にはならない、受け取ったは消してほしいと追記し、ようやくスマホをしまって俺に声で謝った。
すぐには何も言わなかった。が直のき込みのにしい表をし、俺の名を元の枠に戻した。昨交代を取り消した同僚が先に〈解〉と返し、しして個別に〈曜、代わりたかったら言って〉と来た。
代わらなかった。自分で選んだシフトに入りたかった。
が直を送りしている、に戻ると、台のに昨落としたペンがあった。
社員証の裏につ折りにしたプリンのメモを挟んでいた。しばらく見て、蒼介さんに〈お、見つかった〉と送った。すぐ返るとったのに、先にに呼ばれた。
刷った表をに、この先もどれくらい続けるつもりかと聞かれた。
「今までどおりです。今週もられます」
藤野が顔をげた。
「じゃあ久世さんにも言っておいて。お父さんが揉めた、あなたはもう来ないって言われたから」
メモを握ったまま、が分からなかった。聞こえなかったとったのか、は表の俺の名を指した。
「本が言ったのか聞いたの。自分が代わりに決められるって」