"義妹が私の弁当に入れたものを、夫が食べた" 第3話
「分かっています。だから落ち着いてください」
「警察のが来ているって本当なの!?私が也に毒をませたって疑われているの!?」
史子さんの声がきくなり、周囲の線が集まった。私は史子さんのをしっかりと握った。誰も疑っているわけではないが、何が入っていたのかは確認してもらうのだと告げる。
そこに先ほどの刑事が静かにづいてきた。病院が貸してくれたさな相談で、詳しい話を伺いたいと穏やかな調で促した。
相談に入ると、刑事は単刀直入に尋ねた。今朝のお弁当には何を入れたのか。史子さんはハンカチで目元を押さえながら、記憶を辿るように話し始めた。
ご飯に塩鮭、卵焼き、そして野菜の煮物。材は昨と昨に所のスーパーで買ったもので、蔵庫で保管していたという。
「調理にいつもと違う調料を使ったり、見慣れない容器から何かを入れたりした記憶はありませんか?」
刑事の問いに、史子さんは首を傾げた。醤油、酒、みりん、砂糖といつも通りだという。ただ、しが濃い方がいいかとってと言いかけ、史子さんはハッと目を見いた。
「あの……調料でつだけ。昨の夜、娘の結がに来たんです。そのに、さな容器に入った調料を置いていきました」
結さん。也の妹であり、私の義妹。
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その名がた瞬、私の胸の奥で何かがたく波打った。
透のプラスチックのさな容器に入った末だったという。
「結が、『千佳さんにお弁当を作るんでしょう。これ、千佳さんが好きだって言ってただから使って』って。それで私、野菜の煮物の隠しにしだけ振り入れました」
史子さんは自分がにした言葉のに気づき、顔を歪めた。自分の娘が持ってきた調料。それを千佳がべるはずだった弁当に入れた。
「まさか結が変なものを……そんなはずないわ。あの子がそんなことするわけない!」
史子さんが取り乱した、コンと相談のドアが叩かれた。制警察官が顔をし、也の処置が終わって病に移されたことを告げた。識もはっきりしているという。
私たちは急いで病に向かった。ベッドのには点滴の管に繋がれ、青い顔をした也が横たわっていた。私たちの姿を見ると、々しい声で千佳、母さんと呟いた。
史子さんがベッドにすがりついて泣きした。也は痛むお腹を押さえながらしだけ困ったように笑った。
「げさだよ母さん。ちょっと変なものに当たっただけだろ。俺が千佳の弁当を横取りしたからバチが当たったんだ」
也は本当にただの毒だとっているようだった。そのろから刑事が入り、弁当に害な物質が混入していた能性について簡潔に説した。
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也は信じられないという顔で、私と史子さんを交互に見た。害な物質、毒。母さんがそんなものを入れるわけがないと也は言う。
「ええ、史子さんにその図はなかったと考えています。ただ先ほど、昨晩妹の結さんが持参した調料をお弁当に使ったと伺いました」
その容器がご自宅に残っているはずなので、ほどを確認させてもらいたいと刑事は静に答えた。病の空気が瞬で凍りついた。
也は目を見き、体を起こそうとして顔を歪めた。
「結が持ってきた?ちょっと待ってくれよ。あいつがそんなもの持ってくるわけないだろう!」
「それをこれから確認するんです」
私が静かにを挟むと、也は鋭い線を私に向けた。結が千佳の弁当に毒を入れたと言いたいのか、何かの違いに決まっていると声を張りげる。
それは真実を求める声ではなく、認めたくない現実を全力で拒絶する声だった。自分の妹が妻を狙って危険な真似をしたかもしれない。その能性から目を逸らすための防本能だった。
じゃあ誰を疑うんだよ、警察まで呼んで族を犯扱いしてそれでいいのかよ、と也は苛ちを隠せない。私はベッドの脇にち、也の目をまっすぐに見ろした。
「じゃあ族じゃないなら疑ってもいいの?」
也が息を呑み、を閉ざした。私は声を荒げることなく、ただ事実だけを也に突きつけた。