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"深夜零時、本妻へ捧げた告発" 第9話

そして、庭の物置に隠してあったアルミ製のアタッシュケースを、夜に紛れて持ちそうとしたんです」

「物置に……」

「ええ。私はあらかじめ、警察への通報ボタンを押せる状態にしたスマートフォンを構えて待ち構えていました。そして夫がケースを持ちそうとしたところを押さえ、『を見せなければ今すぐ警察を呼んで、居侵入と庭内暴力で被害届をす』と迫ったんです。夫は所に騒がれるのを何より恐れる男ですから、観してケースをけました」

智恵の元に、徹な勝利の笑みが浮かんだ。 「に入っていたのは、夫が隠していたつの座の通帳、偽造された保険証が種類、そして……過数にわたり彼が『相原蓮』や別の偽名を使って付きってきた、複数の女性たちの写真や記、連絡先のメモでした」

遥は絶句した。 複数の女性。偽造保険証が種類。 あの男は、遥と付きっているにも、あるいは遥のの期にも、複数のをターゲットにして同じ詐欺為を繰り返していたのだ。

「座の残は、計で千百万円ありました」 藤原弁護士が淡々と告げた。 「その半が、会社の経費の着や、取引先からの透なリベートであることがく疑われる記録が残されていました。これはもはや、単なる民事の貞為の枠をきく超えています。

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業務横領、背任、そして印私文偽造・同使。刑事事件として件されれば、実刑すら免れないレベルの犯罪です」

ラウンジの空気が、凍りつくようにくなった。 遥は自分の膝ので握りしめたが、じわりと汗ばんでいるのをじた。 自分がグローブボックスをけたというつの偶然が、積みなってきた男の巨額の犯罪と、幾もの偽りのの結び目を、気に解き放ってしまったのだ。

「瀬尾さん」 智恵がを乗りし、遥のをそっと握った。 そのは温かく、力かった。 「勝なお願いであることは々承しています。ですが、私たちは柴崎兼に対して、徹底な反撃を始する準備をえました。婚、親権の確保、そして隠し資産の適正な財産分与と慰謝料の請求です。つきましては、あなたが彼から受けた『貞操権の侵害』に対する損害賠償請求も、私たちの弁護団で括して引き受け、同に突きつけたいと考えています。いかがでしょうか」

「貞操権の侵害……」

「はい」藤原弁護士が頷いた。「独であると偽り、結婚を提としていると誤信させて肉体関係を結ぶ為は、民法の法為であり、貞操権の侵害として額な慰謝料請求の対象となります。特に今回のケースでは、偽造保険証を用いた計画な欺罔為があり、悪質性は極めてい。

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相を幅に回る百万円の請求が分に認められる事案です」

智恵は静かに、だが決に満ちた声で言った。 「夫は、社会位とだけがすべての男です。会社での評価を失い、を奪われることが、あの男にとって最の罰になります。瀬尾さん、あなたの切なを奪った報いを、あの男にきっちりと支払わせましょう。私に、その助けをさせていただけませんか」

遥はく息を吸い込んだ。 胸の奥に澱のように溜まっていた悔しさと屈辱が、鮮やかな闘志へと塗り替わっていくのをじた。 半、信じていた未来をで踏み荒らされた。 泣いて、傷ついて、自分を責めて、部の隅でさくなっている必など、これっぽっちもないのだ。 悪事を働いたが、相応の獄を見る。それを最まで見届ける権利が、自分にはある。

「んで、ご緒させていただきます」 遥は顔をげ、智恵の目をまっすぐに見つめ返した。 「徹底に、やりましょう。あの男が度とちがれないくらいに」

智恵の瞳に、初めて堵と、共闘の笑みが宿った。

だが、がを組んだことをる由もない柴崎兼は、その裏で、さらに醜悪で愚かな次のを打とうとしていた。

兼は、自分が追い詰められている元凶が遥にあると逆みし、彼女の勤め先を突き止めて、職に乗り込む算段を始めていたのだ。

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