"深夜零時、本妻へ捧げた告発" 第3話
LINEの返信が、平の夜以になると急激に滞り、翌朝の通勤帯に「ごめん、寝落ちしてた!」とるいメッセージが届くパターン。 歳にしては、折にする流の言葉遣いにどこかぎこちないタイムラグがあったこと。カラオケにったとき、彼が番だと言ってったミスチルやスピッツの選曲が、代にしては妙にツボを得すぎていたこと。
何より、彼の肌の質。 美識がく、定期にメンズエステや美容皮膚科に通っているのだと信じ込んでいた。だが、あれは若作りだったのだ。歳の肉体を、代半に見せかけるための、必の擬態だったのだ。
「うそつき……」
声が震えて、掠れた。 りというよりは、汚い怪物を目のに突きつけられたような、底れない理嫌悪が背筋を駆けがった。 自分がし、将来を信じ、体をねてきた相は、すらしていなかった。 目のにいたのは、代の若者を騙り、代の焦る女の理を巧みに弄び、庭の現実から逃避して独ごっこに興じていた、歳の汚い男だったのだ。
カチャリ、と自ドアがく音がくで聞こえた。 遥は弾かれたようにに返った。 急いでメモ用の桁の話番号をスマートフォンのメモ帳に打ち込み、カメラを起して領収証と保険証の写真を素く撮する。
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そして、すべての片を元の位置、グローブボックスの底へと押し戻し、音をてずに蓋を閉めた。
スマートフォンをハンドバッグの奥へ滑り込ませた瞬、運転席のドアが側から引かれた。
「お待たせ! 自販のラテが売り切れててさ、わざわざファミマまで歩いちゃったよ」
の匂いをまとった男が、内へと滑り込んできた。 両には、湯気をてるコンビニのコップがつ。彼は満面の笑みを浮かべ、助席の遥へといカップを差しした。 「ほら、遥の好きな無糖のラテ。いから気をつけてね」
差しされたカップを受け取る遥の指先が、微かに触れた。 男の指はたく湿っていた。 その顔を、遥は暗ので凝した。
灯のが、男の横顔を照らしている。 黒く染められた髪。額のえ際。丁寧に剃られた髭の跡。笑ったときに目尻にく刻まれる本のじわ。首筋の、隠しきれない皮膚のたるみ。 どうして今まで、これが見えなかったのだろう。 恋に盲目だったのではない。結婚したいという自分の執着が、都の悪い真実から目を逸らさせ、彼の差しす触りのいい嘘を貪りっていただけなのだ。
「……ありがとう、蓮くん」
自分のからた声のあまりの自然さに、遥自が戦慄した。 「どうしたの? なんか元気ないじゃん。
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寒かった?」 男――柴崎兼は、シートベルトを締めながら、首を傾げて覗き込んできた。その甘ったるい、の恋を演じる調が、にまとわりつくたびに、胃液が逆流しそうになる。歳の父親が、の娘を持つ男が、こんな声をして代のフリをしている。
「ううん。ちょっと、が痛くて」 遥はわざとらしく額を押さえてみせた。 「あれ、丈夫? 邪かな。く帰ってあったかくして寝よう。今夜、遥の部に泊まっていってもいい?」
平然とした顔で、彼はそう言った。 泊まる。この男は、曜の夜を遥の部で過ごし、の曜の夕方に「打ちわせがある」と嘘をついて、埼玉の越にある自宅へと帰るつもりなのだ。妻と娘が待つへ。
「ごめん、蓮くん。今は、本当に体調が悪くて……。うつしちゃったら悪いし、の朝くから、実の母親から荷物が届くことになってるの。だから、今は送ってもらったら、すぐ寝たい」 「そっか……。残だけど、遥の体が番事だからね。じゃあ、急いで送るよ」
兼はギアをドライブに入れ、アクセルを踏み込んだ。 型トラックのテールランプが連なるの速を、は滑るようにりした。 ラジオからは、障りなFMの楽が流れている。兼は折、リズムにわせてハンドルを指先で叩きながら、「来週の曜、葉の方までドライブかない? 美しいシーフードの見つけたんだ」