"18年介護した義母が亡くなった翌日、私は横領犯にされた" 第11話
どこまでも、から目線の保。 どこまでも、妹の引いたレールのをるだけのれな操り形。
私は画面を見つめたまま、返信を打たなかった。 ただ、静かに源を切り、バッグの奥底へ滑り込ませた。
菩提寺の控。 親戚同の面。 のが、自分たちの「世体」を最も誇らしげに掲げる、そのれ台。
すべてを終わらせる所として、これ以の台はなかった。
の法当の朝、空は鉛のに覆われていた。
菩提寺のをくぐると、湿った線の匂いと、え切った畳の気が袋の底からいがってきた。 本堂の奥にある広。 すでにの親族たちが、黒の喪にを包んで座になっていた。
私が障子をけた瞬、ざわめきがぴたりと止んだ。
集まった線は数分。 ややかで、侮蔑と好奇に満ちた、品定めするような目。
「……よく平気な顔で来られたわね」
本の叔母が、隣の親戚に打ちするのが聞こえた。 隠すつもりもない音量。 「百万も着したって」「佐子さん、浮かばれないわね」「所詮はから入ってきた女よ」。
声の棘が、容赦なく私の肌をかすめていく。 だが、私の拍数はつもがらなかった。 黒い革の提げバッグの持ちを、指先で静かに確かめる。 には、みのあるクリップ留めの類束が、然と眠っている。
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「美」
控の隅から、がにづいてきた。 ネクタイがわずかに曲がり、目のには濃い隈が張り付いている。
私の腕を乱暴に掴み、い囁き声で威嚇してきた。
「遅いぞ。余計なはくなよ」
「……腕をして」
「由加里が親戚同ので話をつける準備をしてる。おはただをげて、用された類に判を押せばいい。そうすれば、百万の穴埋めは俺が半分何とかしてやるから」
「半分?」
私は夫の目を、まじまじと見つめ返した。
「あなたが面するおは、どこからるの? 私たちの共財産? それとも、私に無断で組む借?」
「今はそんな話をしてるじゃないだろ! 世体を考えろ!」
が苛たしげに私の腕を振り払った。 その、広の座から、澄ました声が響いた。
「お兄ちゃん、お義姉さん。お寺様のお経が始まるに、事なお話を済ませましょう?」
由加里だった。 濃いアイラインを引いた目を細め、親族たちの線をに集めながらちがっている。 喪の胸元には、釣りいなほど粒の真珠のブローチ。 そのには、見覚えのある茶封筒が握られていた。
本の老である宗男叔父が、々しく咳払いをし、座布団ので居まいを正した。
「美さん。佐子さんがくなる直、弁護士に残した申述のことは聞いているな」
「はい。
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じております」
私は広の座に、背筋を真っ直ぐに伸ばして正座した。
「なら話はいわ」
由加里が卓に類を叩きつけた。
「お母さんは、あなたに通帳を奪われ、百万円を使い込まれたって告発してるのよ! 親戚の皆さん、これを見てください!」
由加里は、コピーされた義母の申述を親族たちに配り始めた。 親族たちの顔が変わる。
「なんてことだ……」 「佐子さん、こんな目態に遭っていたのか」 「も面倒を見てもらっておいて、恩を仇で返すとは」
広が、気に私を断罪する法廷へと変貌した。 由加里は得げに端を歪め、涙を拭うような仕をしてみせた。
「お母さん、最期まで怯えてたんです。『あの子に財産を全部奪われる』って。病で泣いて私に訴えてきたんですよ! お義姉さん、あなたにのはあるの!?」
「そうだぞ、美」
宗男叔父が、太い眉をねげて私を睨みつけた。
「のに嫁いでおきながら、病の姑を脅してを毟り取るとは言語断だ。今こので全額返済を約束し、遺産放棄のをきなさい。さもなければ、親族同で警察に突きす」
親戚たちの酷な線が、刃物のように突き刺さる。 は私の横で、さくなって俯いていた。 助け舟をす気など微もない。く私がをげ、このが丸く収まることだけを祈っている。
広が、私の謝罪の言葉を待つ静寂に包まれた。
私は、ゆっくりと息を吸い込んだ。 たい空気が肺の底まで満ち、のが透き通るように冴え渡る。