"正月の食事会で義母に印鑑を求められ、仲居から「逃げて」のメモ" 第16話
通帳のコピー、戸籍謄本、そして7の結婚活の経緯を振り返るための陳述。
結婚当初に作った俊との共座の残も、すでに正確に半分に分けてある。
自分の過を文字にしてまとめながら、私のは議なほど穏やかで静まり返っていた。
俊に対する激しいりや、裏切られたという憎しみはもうほとんど残っていない。
彼が優しい夫であった期も確かにあったし、楽しいいが全くなかったわけでもない。
母が病気で入院したには、彼が仕事を休んで病院へ付き添い、緒に配してくれたこともあった。
2でテレビを見て笑いい、何気ない常のを分けった々は、決して嘘ではなかったとう。
だからこそ、あの料亭の別での彼の残酷な選択が、私にはく鋭く刺さった。
彼は私をしていなかったわけではないけれど、母親の圧力から私を守るほどの覚悟を持っていなかったのだ。
母親を失望させる恐怖と、妻を裏切る恐怖を秤にかけ、最終に彼は波のたない方を選んだ。
その事実をにしては、過のどんなに美しいいも、結婚活を継続するための理由にはなり得ない。
私は陳述の最のくだりをき終え、静かにペンを机のに置いた。
彼への未練を完全に断ち切るためのこの作業は、私自のを理するための切な儀式だった。
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そのの午、私は気分転換にへて、自分の所する賃貸建物の周囲をゆっくりと歩いた。
1階には母のまいがあり、の5にはくんでくださっている入居者の方々がいる。
祖母が残してくれたこのさな建物は、結婚から私名義になっている切な特財産だ。
し古びた壁を撫でながら、私はこれが私にとって自と全を象徴するなのだと再確認した。
義母はあの、この建物を7500万円という莫な個保証の担保として差しさせようとした。
「でいいから」という軽い言葉で、私のの全網を奪おうとしたのだ。
義母は、私が俊の説得にく、くれば最は折れると甘く見ていたのだろう。
もし私が桜井さんのメモを見逃し、族だからという言葉に流されて別で署名していたら。
今頃この建物は義母の会社の借のために抵当権をつけられ、母の穏やかな活も脅かされていたことだろう。
自分ので席をち、へたからこそ、私はこの当たりの景を守り抜くことができたのだ。
庭の入れをしていた母が私に気づき、優しく微笑みかけてくれた。
「叶恵、し寒くなってきたから、そろそろに入って温かいお茶にしましょう」
私は笑顔で答えた。
「うん、今くね」
母の変わらない温かい声を聞き、私は自分が正しい選択をしたのだとく、静かに実した。
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もう義母の顔を伺って怯えることも、夫の無責任な沈黙に傷つくこともない。
私は自分ので歩き、自分のを誰にも譲ることなく守り抜く決を完全に固めた。
数、再び弁護士の先から、し緊迫した声で話がかかってきた。
さんが配した部会計チームの初期調査の報告が、ついにがってきたとのことだった。
『森田さん、お義母様の会社の財務状況について、最初の見てがました』
先の真剣な言葉に、私はスマートフォンを持つにしだけ力を込めた。
先は報告を始めた。
『産事業そのものの苦境にあることは、どうやら事実だったようです』
先は理由を挙げた。
『建設費の騰や空の増加、利の昇により、事業の資繰りが悪化していたのは違いありません』
私が尋ねた。
「では、やはり42の社員の活がかかっていたというのは、本当だったのでしょうか?」
先は話の向こうでく、しかしい息を吐きした。
『いいえ。事態はもっと複雑で、そして刻です』
先のその言葉に、私はわず息をんだ。
先は説を続けた。
『産事業の振だけであれば、これほど急激に致命な資に陥ることはありません』
先は核に触れた。
『専が帳簿を精査した結果、通常の事業とは全く無関係な解な資の流が発見されました』