"「いなくても回る」と言われた私に、12件の着信" 第7話
「該当データがない?」
胃の底が、キュッとたく収縮した。 すぐに自席のパソコンを叩く。 あのが導入したシステム。 画面に並ぶステータスは、すべて緑の文字で『処理完(自連携済)』と表示されていた。
完? どこが完しているというのか。
基幹データの照ログを掘りしていくと、すぐに原因が判した。 配送センターごとに割り振られている「納品コード」の桁数が、システムのデフォルト設定とっていなかったのだ。 末尾の桁が勝に切り捨てられ、しない架空の受領番号として運送会社のサーバーへ送信されていた。
画面は「完」に見えても、運送会社側では「エラーデータ」として隔され、ピッキング指示すらていない。
「……副主任」 私はちがり、フロアの央に鎮座するあののデスクへ向かった。 デスクのには、名の級テイクアウトコーヒーのカップが置かれている。 あのはスマートフォンで美容クリニックのコミを眺めながら、退屈そうに差し指をかしていた。
「副主任、至急確認をお願いします。ベルク様向けのチルドタレケース、納品コードの桁落ちにより運送会社へのデータ連携が遮断されています。すでに午着のトラックはてしまっています」
あのはスマホを伏せ、めんどくさそうに顔をげた。
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「は? 何それ。システムが勝にやってるんだから、私のせいじゃないでしょ。運送会社に話して、今から無理やり運ばせればいいじゃない」
「運送会社のハブセンターは潮にあります。今からピッキングして配しても、川越の舗へ届くのは夕方以です。の惣菜製造ラインには確実ににいません」
「じゃあ、佐藤さんがなんとかしなさいよ!」 あのは突然、甲い声を張りげた。 「トラブル処理があなたの仕事でしょ!? いちいち私に言いに来ないでよ! こっちはしい管理法を定着させるために忙しいの!」
忙しい。 スマホを弄るが、忙しいというのか。
喉元まで競りがってきたりを、奥歯で噛み砕いた。 「……分かりました。私が運送会社の配担当へ直接掛けいます」
背を向けた私に、あのは追い打ちをかけるように言い放った。 「まったく、使えないわね。械のせいにして騒ぎてて……だからおばさんはITについてこられないのよ」
キーボードを叩く指が、微かに震えた。 おばさん。 使えない。
この、あのがやったことといえば、業者から届いた雑把なマニュアルをフロアに放り投げ、「あとは直で入力して」と丸投げしたことだけだ。 品物流の現が、どれほどシビアなタイムスケジュールと細かな暗黙で支えられているか、何つ学ぼうともせずに。
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その歪みは、営業部のだけにとどまらなかった。
午。 オフィスのい防音ドアが、勢いよくけ放たれた。
「おい! 営業の責任者は誰だ!」
号とともにび込んできたのは、黄いヘルメットを脇に抱えた倉庫責任者の島さんだった。 作業着の袖をまくりげ、顔を真っ赤にして肩をらせている。
いつも温で、滅なことでは声を荒らげない島さんのその姿に、フロアの全員が息を呑んだ。
「島さん、どうしたんですか?」 私がちがると、島さんは股で歩み寄り、に持っていた荷指示をバンッとあののデスクに叩きつけた。
が宙をい、あののコーヒーカップがさく揺れた。
「きゃっ! 何よ、汚い作業着での机に乱暴に……!」
「汚いだと!?」 島さんの太い声が、井にビリビリと響いた。 「ふざけてんのかあんた! これを見ろ! 学センターきの特製煮込みダレ、百ケースだ! 今すぐトラックに積み込まなきゃいけねえのに、印字された賞期限が全部デタラメじゃねえか!」
学。 その単語を聞いた瞬、私の背筋にが浴びせられた。
向けの調液は、般のスーパー向け商品よりもはるかに厳しい全基準が課せられている。 納品から数えて、賞期限が最でも以残っていなければ、受け入れ検査で払いをらう。
「な、何よ……賞期限くらい、械が勝に計算してるわよ! 私が作ったわけじゃないし!」