"「いなくても回る」と言われた私に、12件の着信" 第4話
「おはようございます」 私が淡々と会釈をすると、あのは待ってましたとばかりに歩踏みしてきた。 カツカツとヒールの音がを鳴らす。
「佐藤さん、おはようございますじゃないわよ。昨のあれ、何なの?」
フロアの息を呑む音が聞こえた。 あのの顔はりで真っ赤になり、吊りがった目が私を睨みつけている。
「回も話したのよ? 社からも連絡を入れたわよね? 全部無して、あんな当てつけみたいなメール本送りつけて……社会としての責任、どこかに落としてきたわけ?」
「休暇を取得しておりました。事にお伝えした通り、娘がをしておりましたので」
「子どものなんて言い訳にならないって言ってるの! あなたのせいで昨、現がどれだけ混乱したとってるのよ! ベルクのチルドタレ、荷保留になって配送便がも遅延したのよ!?」
喚き散らすあののろで、社が々しく咳払いをし、にみてきた。 歳。創業者としての威圧を全から漂わせながら、私をたく見ろす。
「佐藤さん。君はうちでも働いているベテランだ。それなのに、あの対応はいかがなものかな」
「社……」
「奈緒さんはまだ入社して半だ。慣れな部分があるのは分かっているだろう。それをサポートするのが古参の役目じゃないのか? 『引き継ぎにいてあります』だの『メールを見ろ』だの、たい突き放し方をして……会社はワンチームなんだよ。
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誰の責任とか言うに、トラブルが起きたら駆けつけるのが組織としての誠だろう」
ワンチーム。 誠。
便利な言葉だ。 都のいいだけ責任を現に押し付け、自分たちは特権にあぐらをかく。 その「ワンチーム」のに、複の横に追いやられた私の子は含まれていたのだろうか。
「社、つ確認させていただけますか」 私は取り乱すことなく、静かにパソコンの源を入れた。 画面がちがるまでの数秒、社とあのはそうに眉をひそめている。
「何よ、まだ言い訳する気?」
「先ほど、ベルク様のチルドタレ案件が荷保留になったとおっしゃいましたね」
「そうよ! 倉庫の島さんが『荷データがき換わっていてピッキングできない』って騒ぎしたの! あなたが余計なことしたんでしょうが!」
「私は曜の半に、予定通り曜荷の確定処理をいました。その点でのステータスは『荷指示済』です。勝に付がき換わることは、システムの仕様あり得ません」
デスクトップの基幹システムをちげ、管理者ログの閲覧画面をく。 これは、このシステムを導入した際に、システム会社と緒に仕様を作り込んだ私だからこそっている操作画面だった。
カタカタとキーボードを叩く。 「ちょっと、何やってるのよの話を聞きなさいよ!」
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と喚くあのを完全に無し、該当する件の受注番号の「操作ログ履歴」を画面に呼びした。
そして、ディスプレイを社とあのの方へ向ける。
「こちらをご覧ください」
画面の表を、指先でトントンと叩いた。
「曜、分のログです。該当の件について、荷が『曜』から『曜』へと変更されています」
社の目が、わずかにいた。
「そして、その変更を実したユーザーIDが、ここに記録されています」
画面に並んだ英数字。
【更:2026/10/16 17:48:12】 【更者ID:takahashi_n】 【更端末:営業部端末02(副主任PC)】
オフィスが、を打ったように静まり返った。
あのの顔から、サッと血の気が引いていくのが分かった。 元が引きつり、喉がヒクッとく。
「……え?」
「曜の分。私はすでに退勤しておりました。副主任、あなたのIDとパソコンから、荷のデータが直接き換えられています」
「そ、それは……!」 あのは激しく揺し、両を泳がせた。 「違うわよ! 私は、その……曜がだって気予報で見たから! のはスーパーの客が落ちるって聞いたから、納品を曜にずらしてあげた方が親切だとって……!」
信じられない言葉が、そのからびした。
がるから、納品を勝に遅らせた? チルド調液は、スーパーのバックヤードで惣菜を作るための原料だ。