みかん小説
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"「いなくても回る」と言われた私に、12件の着信" 第3話

ようやく薬を受け取り、調剤薬局のベンチに座ったのは分だった。 芽は解剤のシロップをみ、私の膝ので力尽きたように眠っている。

私は震えるで、ポケットからスマートフォンを取りした。

ロック画面をいた瞬、息が止まりそうになった。

着信、件。

島さんから件。 営業部から件。 あのから件。 そして――最の件は、社の携帯からだった。

ショートメッセージの通アイコンに、真っ赤なバッジがついている。

『佐藤さん、なぜ今荷予定のベルク向けチルドタレ便の荷承認がりていないんだ? 件の型案件がピッキングで止まっている。倉庫がパニックだ。今すぐ会社に戻りなさい。社』

画面を見つめたまま、のが真っになった。 ベルク向けのチルド便? そんなはずはない。 先週の曜の昼、私が退勤する直に、荷確定処理まで済ませて伝票を発したはずだ。 曜の朝は倉庫側でバーコードをスキャンするだけでトラックがる状態にしてあった。

指をスワイプすると、もう通、あのからのメッセージが表示された。

『話にないってどういうつもりですか? 着信拒否ですか? わざと話を無して、自分がいないと会社が回らないアピールでもしたいわけ? 幼稚な真似はやめて今すぐ指示ししてください』

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……は?

文字を目で追うごとに、指先の覚がたくなっていく。 の奥で、カチリと何かがれる音がした。

私がいないと会社が回らないアピール?

誰が言った? 「この部署、あなたがいなくても普通に回るから」と、私の目ので類を突き返したのは、どこの誰だった?

膝ので寝息をてる芽の頬に触れた。 赤く気したさな顔。 、私はこの子がをすたびに、会社に平伏してきた。 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と受話器を握りしめ、病児保育の配にり、夜に自宅のパソコンをいて未まで受注処理をした。 会社に迷惑をかけないために。 「子持ちの女は使えない」とろ指を指されないために。

その結果が、これだ。

通の着信。 「会社に戻れ」という社の命令。 「あてつけか」という内からの罵倒。

都のいいだけ「おがいなくても回る」と尊厳を奪い、 都が悪くなれば「今すぐ戻って責任を取れ」と呼びつける。

私は通話ボタンを押さなかった。 通話履歴を閉じ、会社の共メールアドレス宛てに、く文字を打ち込んだ。

『社、副主任 お疲れ様です。佐藤です。 本、事に申請し承認を得ております通り、娘の病のため終休暇をいただいております。 お問いわせのベルク様向け案件につきましては、先週曜の分点で荷確定処理を完し、伝票は荷ヤード棚番号「B-04」

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のファイルに保管済みです。 また、該当のデータパスは以の通りです。 【社内サーバー > 営業事務 > 共通 > 202610_週次荷確定リスト.xlsx】 曜に副主任へお渡しした引き継ぎ、および同に営業部全員へ送信いたしましたメールにも記しておりますので、ご確認をお願い申しげます。 本は所定の休暇のため、以の話対応は控えさせていただきます。失礼いたします』

送信ボタンを押す。

液晶画面が暗転し、薬局のい井のかりが黒い画面に反射した。 指先の震えは、いつのにか止まっていた。

私はスマホをバッグの奥底へ沈め、膝のの芽を抱き直した。 「帰ろうね、芽。お粥作ろうね」

背に回した娘のさな温もりだけが、私の確かな現実だった。

曜の朝、分。

タイムレコーダーにカードを通すと、ガシャンと無質な打刻音が響いた。 オフィスへ続く曇りガラスの扉にをかける。 いつもなら「おはようございます」と元気な声がび交う帯なのに、フロアのは異様な静けさに包まれていた。

ドアをけた瞬、ほどの線が斉に私に突き刺さった。

空気が、凍りついている。

複の横、私のさなデスク。 そのに、腕を組んだあのが仁王ちしていた。 横には、苦虫を噛み潰したような顔をした社。

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