"息子の成人式で夫は言った「お前は本当の母親じゃない」" 第6話
それが、何よりも私の神経を逆撫でする。
「私、本当に謝しているんです。、あの子のそばにいてあげられなかった私の代わりに……悠斗をここまで派に育ててくださって、本当に、ありがとうございました」
――私の代わりに。
ので、何かが弾けんだ。
「……代わりに?」
私の声は、震えていなかった。く、ドスが利いていた。
「美奈子さん。私は、あなたの代わりに悠斗を育てたつもりは、秒たりともありません」
美奈子の笑顔が、凍りついた。
「私は、私自の志で、あの子と向きってきました。あなたがどこで何をしていたのからないけれど、だらけのを洗い、をした夜に救急来へり、反抗期に投げつけられた暴言にで泣きながら、それでも翌朝お弁当を作り続けたのは、全部私です。あなたに頼まれたからやったんじゃない。あなたの代打としてきてきたわけじゃないの」
「真理子さん、私はそんなつもりで言ったんじゃ……」
「『代わりに育ててくれてありがとう』ですって?」
私は美奈子の目を、まっすぐに見据えた。
「それは、自分が母親としての権利を放棄していなかったと、そういたいだけの傲よ。いいとこ取りをしないで。の苦労を全部に押し付けておいて、歳になってがかからなくなった息子だけを回収しに来るなんて……そんな虫のいい話、私は絶対に認めません」
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美奈子は唇を震わせ、言も言い返せなくなっていた。その華奢な肩が、さく竦む。
私はそれ以何も言わず、美奈子の横をすり抜けて廊へた。
リビングからは、何もらない義母が「美奈子さーん、バームクーヘン切りましょうか!」と呼ぶ呑気な声が聞こえていた。
美奈子が帰ったのは、夕方を過ぎていた。
玄関のドアが閉まる音がした瞬、リビングの引き戸が乱暴にけ放たれた。
「真理子! ちょっとここへ来い!」
夫の声。階段をりてきた悠斗が、気まずそうにリビングの隅へ隠れる。義母はすでに腕組みをして、ソファで待ち構えていた。
「お、美奈子さんに洗面所で何か言っただろ!」
夫が私の肩を掴もうとを伸ばしてきた。私はそれを、払いのけた。
パシッ、と乾いた音が響く。
「触らないで」
「な……!」
夫が目を剥いた。、度も夫のを拒んだことのなかった私が、確な拒絶の志を示したのだ。
「美奈子さんが帰りがけに泣いてただろうが! お、どれだけ性格が歪んでるんだ! あいつがどれだけ肩の狭いいをしてきてきたか、しは像できないのか!」
「私には関係ありません」
「関係ないだと!? 悠斗の実の母親だぞ!」
「ええ、悠斗の実の母親ね。でも、私の族じゃないわ」
「この恩らずが!」
義母が切り声をげた。
「健に拾ってもらって、何自由ない暮らしをさせてもらっておきながら! 血の繋がった親子を仲裂くような真似して、恥ずかしくないのかい!」
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拾ってもらった。何自由ない暮らし。
私はリビングを見渡した。ローンの残る、築古の軒。義母の介護保険の申請類、夫の脱ぎ散らかした靴、テーブルのに放置されたバームクーヘンのべカス。
こので、私がどれだけの「無償の労働」を提供してきたか。義母の排泄の世話をし、夫の愚痴を聞き、あの子の学費のために自分の枚買うのをしてきた。それを「拾ってもらった」の言で片付けるのか。
「来週、悠斗と美奈子さんがで箱根へ泊旅にくことになった」
夫が、勝ち誇ったように言った。
「失われたを取り戻すためだ。お、悠斗の赤ん坊の頃からのアルバムと、母子帳、あと学の通表、全部袋にまとめておけよ。美奈子に見せてやるから」
私のので、たいが吹き抜けた。
「……母子帳?」
「ああ。あいつ、婚したときに持ってけなかったから、見たいんだとよ」
「断ります」
「あ?」
「アルバムも、通表も、母子帳も、渡しません」
夫が信じられないものを見る目で私を睨みつけた。
「お、何様のつもりだ! あれは悠斗のものだぞ!」
「母子帳に、歳からの予防接種の記録をいたのは誰?通表の保護者欄に、サインをき続けたのは誰?アルバムの写真を現像して、付をいて、コメントを添えて理したのは誰?全部、私よ。