みかん小説
本棚

"19歳で相続した呪われた屋敷" 第13話

証拠は揃い、は蘇り、のもしずつ変わり始めていた。

あとは、全ての決着をつけるための最の歩を踏みすだけだった。

のまりとともに、最の敷はその威厳を取り戻した。

川宿の々の線もまた、かつての軽蔑からい敬へと変わりつつあった。

しずが々の過酷な肉体労働を通じて示した実直さ。

理尽な脅威に屈しない揺るぎない誠実さ。

それは、いつしか全体をかすきなうねりとなっていたのである。

敷の修復が終わり、荒れ果てた畑からは豊かな作物が芽吹いた。

井戸からはいつでもたく澄んだが湧きる。

その景は、このが決して呪われてなどいないことを物語っていた。

ただ、のと真を求めていただけの美しい所であることを雄弁に語っていた。

しかし、真の決着をつけるべきは刻刻とづいていた。

しずは、套の裏にしっかりと縫い付けられた古文の束にを触れた。

すなわち、祖父や父親が命懸けで守り抜き、そして隠し通してきた正の証拠の品々を、取りす決を固めた。

そこには、黒崎像の族がにわたってってきた悪辣な所業の全貌が、克に記されていた。

借のカタとして、無慈に農やを奪い取った形の控え。

の役を収賄して、偽りの罪を着せた記録。

広告

そして何よりも、過にこので命を落とした無実の旅たちの財産をが物とするために仕組まれた、恐るべき罠の数々。

それは、黒崎の権力の基盤そのものを根底から覆すにる、あまりにもくかぬ証拠の塊だった。

決戦のは、れのたく澄み切った朝に訪れた。

夜から、のあちこちで静かなざわめきが広がっていた。

代の協力のもと、しずはのにある川神社の境内に、の全民に呼びかけるためのらせを掲げた。

そこには、最の敷のに隠されていた真実の歴史が記されていた。

そして、このに巣う正の全貌を公のでらかにする旨がかれていた。

初めは、また何か厄介事が起きるのではないかと恐れをなし、距を置こうとする者もいた。

しかし、これまでにしずが見せてきた誠実な姿と、彼女を支える鍛冶や医師たちがいた。

そして、父親がなぜ沈黙をいられ、なぜ孤独ので息絶えなければならなかったのか。

その全てが、彼女の澄んだ声によってのに晒されていった。

境内は、あまりの衝撃な真実に包まれた。

息を呑む音だけが響き渡っていた。

「ここにあります」

しずは、に持った古文の束をしっかりと握りしめた。

たちを見渡し、力く言った。

広告

「これらは、私の族が命をかけて守り、そしてこのにきる全ての々の名誉を取り戻すための、偽りのない真実の記録です」

その、群衆はきくどよめいた。

黒崎像が、数の屈なを引き連れて境内へと踏み込んできた。

彼の顔から、いつもの余裕や笑いは完全に消え失せていた。

その目は狂気とりで血り、脂の乗った巨体がわずかに震えている。

「ふざけたことをほざくな」

黒崎の声が、境内に響き渡った。

「こんな汚い娘が勝にき殴った切れ枚で、この川宿の秩序が揺らぐとでもっているのか」

彼は、周囲のたちを鳴りつけた。

「おたち、何をしている。この審者を引ってろ」

かつてであれば、黒崎の声だけで誰もが縮みがり、を垂れていたはずだった。

しかし今回は、たちは誰も歩もこうとはしなかった。

いや、それどころかたちの目はややかだった。

かつてないほどのりと侮蔑のを帯びて、黒崎を凝していた。

鍛冶の男が、腕を組みながら歩にた。

「黒崎の旦、そこまでだ」

彼は、堂々と言い放った。

「その切れが偽りかどうかは、ここにいる先や隣町の医者殿がとっくに検分しておられる。それに、おがこれまで裏でどんな悪さをしてきたか、俺たちもうすうす気づいていたんだ」

鍛冶の男は、ろのたちを振り返った。

「もうおの脅しに屈する馬鹿は、このにはもいねえよ」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: