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"19歳で相続した呪われた屋敷" 第7話

世ののは、これほどの悪事をただの偶然として見過ごすはずはなかった。

彼女は、再びへといがった。

板を元の位置へとまかに戻し、本の蝋燭のうち本を吹き消した。

犬は、敷居からいていなかった。

その傍らに腰をろした。

獣のい肩にそっとを置きながら、彼女は窓のの松林が夜のに溶けていくのを見つめた。

その眠りは、浅いものだった。

夜半を過ぎた頃、犬がふとをもたげた。

の方向へとをそばだてた。

そのわずか数分、しずのにも聞こえてきた。

馬の蹄がい面を蹴って、険しいを猛烈な勢いでってくる音だ。

台ではなく台、いや、の馬が連れっていた。

しずは、暗がりので静かに起きがった。

套を羽織ると、窓辺に歩み寄った。

の騎兵が、提灯のを揺らしながら庭へと入ってきた。

先の男の胸元を見た。

あの見覚えのあるの鎖が、提灯のを反射していた。

黒崎像だった。

彼は、背の痩せた男に、用してきた類を縁側の階段に置いていくよう命じた。

そして、馬首を返そうとしたその瞬だった。

痩せた男が、脇からつのさな缶を取りした。

類の傍らに、それを転がした。

灯油の缶だった。

蓋はすでにけられていた。

横倒しにされたそのからは、烈な油の匂いが夜気に漂った。

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の馬は荒々しく鳴き、そのまま尾根の坂を駆けがっていった。

しずは、しばらく窓辺にち尽くしていた。

それから戸をけてにた。

横たえられた缶の蓋をしっかりと閉めた。

ワイヤーを使って、井戸の底へと静かにろした。

縁側の階段に置きりにされた類には、を触れただけだった。

を読むことすらしない。

ただつに折り畳んで、囲炉裏の残りのへ放り込んだ。

パチパチと音をてて燃えがるが、になっていく。

彼女は、無言でそれを見つめていた。

炎を見つめている最、の方向からか細い女性の鳴が聞こえてきた。

助けを求めるその声は、たい夜に乗って遥かくから運ばれてきた。

しずは、納の壁に掛けられた提灯をにした。

元を固めた犬を従えると、その声の方向へと再びを登り始めた。

尾根の腹に差し掛かった。

ススキの茂みので、の女が崩れ落ちるように膝をついていた。

自分のコートに、さな子供をしっかりと抱きしめているのを見つけた。

女の齢は30代ほどである。

痩せ衰え、唇は割れて血が滲んでいた。

その腕ので、子供は恐怖に震えている。

声をあげることも忘れたかのように、静まり返っていた。

女は、掠れた声で言った。

「夫のによってので馬からろされ、あの黒崎の連れである痩せた男から、あの敷へけば全だと告げられたのです」

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まるで、信じられないものを語るような調だった。

しずは、その震える女の肩にを置いた。

つの言葉を継いだ。

「ここは全です」

彼女たちは、最の敷へと連れてこられた。

しずはをストーブのに座らせた。

鉄鍋で温めた湯と、呂敷包みのに残っていたいパンを与えた。

がようやくを取り、子供の息遣いが穏やかになったのを見届けた。

しずは再び縁側にて、松林の向こうの尾根を見つめた。

彼女のは、決まっていた。

は売らない。逃げもしない。

の、あの板をの々ので全て剥ぎ取る。

父親が隠し通した真実を、のに晒すのだ。

黒崎が守ろうとしているものが何であれ、そこに名があるならば全てをらかにしてみせる。

そして、その告発に伴う全ての代償は、自分がに引き受ける。

元で、犬がしっかりと彼女のふくらはぎに寄り添っていた。

しずは、そのにそっとを置いた。

のでは、ようやく恐怖から解放された子供のさな、どこかしたような寝息が聞こえ始めていた。

翌朝の最初のが差し込む頃だった。

しずは、朝に濡れたを歩き、再び川宿へとりていた。

母親の套の内側には、あの古い帳簿がしっかりとボタンで留められている。

そのしろからは、納から引きした荷馬が続いていた。

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