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"「母の十分は無駄」と笑った夫の失脚" 第2話

部の井の隅には、型のセンサーのようなものが設置されていた。

その箱の側面に印字されたロゴマーク。 青い菱形に、見慣れたアルファベット。

……夫が勤める会社の、コーポレートマークだった。

「お母さん、これ……」

母のが、ぴたりと止まった。

「ああ、それね。先、健さんがうちの施設に来たのよ」

臓が、嫌な音をててねた。

「健さんが? ここに?」

「ええ。ホールの集会でね、入居者集めて説会をいたのよ。スーツをビシッと着て、それは派だったわ」

母はベッドの引きしにを伸ばし、枚の類を取りした。 つ折りにされた、ペラペラの領収。

そこに印字されていた数字に、私の線は釘付けになった。

『 217,800円(税込)』 但しき:最型AI見守りセンサー式代として

きのサインの欄には、乱暴だが違いのない、あの男の跡があった。

佐藤健。

「お母さん、これ……万以したの?」

私の声が震えていた。 パート先で、私がヶ、腰を痛めながらレジ打ちをしてようやく稼ぐ額だ。

「健さんが言ったのよ。『これさえ部に置いておけば、夜にベッドから落ちても即座に検して、自で警報が鳴る。族にも通がくから、い夜付き添いサービスなんて頼む必はありません』って」

母の瞳は、静かに澄んでいた。 を荒げるでもなく、ただ淡々と、私を見つめている。

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「由美。あなた、健さんから何も聞いていなかったの?」

「……何も。商品の営業で忙しい、今期はトップだって、それしか」

「そう」

母は静かに息を吐き、タンスのにあるもうつの分いフラットファイルを指さした。

「これをけてみなさい」

震える指でファイルをいた。 に挟まれていたのは、夫が配ったとわれるカラーコピーのチラシ。

『もう、ご族を配させる必はありません』 『、完全自で見守る最テクノロジー』 『夜の巡回スタッフ。これ台で、施設での暮らしが劇に変わります』

胸の奥が、たい氷で満たされていくような覚だった。

夫の会社の製品だ。 私も以、リビングのテーブルに放置されていた商品パンフレットの正刷りを見たことがある。 そこには、さな注釈でこうかれていたはずだ。

『※本製品は転倒の期発見を補助する器であり、事故を防止するものではありません』 『※通信環境や体勢により、検できないがあります』 『※夜の巡回や介護サービスの代替として使用することはできません』

その警告文が、夫の元で配られたチラシからは、跡形もなく消えっていた。

「お母さん、これ……」

「私だけじゃないのよ、由美」

母はベッドから静かにちがり、を引きずりながら窓辺へと歩いた。

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「このフロアだけで、。みんな、健さんの言葉を信じて、この械を買ったの」

。 単純計算で、百万円い売。

ので、夫の勝ち誇った笑顔がフラッシュバックした。 『今期のトップは確実だ。俺の実力なら、次の役員改選で部からにける』 『おみたいに能無しでボーッときてる奴には、俺のプレッシャーなんて分からんだろうな』

老のを煽り、嘘の全を売りつけ、そので温泉旅にかけた男。

「……信じられない」

私のから、乾いた声が漏れた。

「でもね、械が役にたなかっただけなら、まだ良かったのよ」

母の声が、急激にたさを帯びた。 その線は、廊の向こう、隣の部へと向けられていた。

「隣の芳さん、ってるでしょう。歳で、し腰がおぼつかない方」

「ええ、昔、おを分けてもらった……」

「さんの娘さん、健さんの説会にていたのよ。そして、健さんに言われたの。『このセンサーがあれば夜巡回はいりません。万円の自費オプションを解約すれば、百万浮きますよ』って」

胃が、雑巾のように絞りげられる。

「解約……したの?」

「したわ。娘さんも、介護費用の面で本当に苦しんでいたから。健さんの言葉に、縋ってしまったのね」

母はファイルをめくり、枚のメモ用を私に見せた。

そこには、几帳面な文字での記録が記されていた。

「先週の曜の夜。さんはトイレにこうとして、ベッド脇で転倒したわ」

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