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"「2階は貸さない」と告げた母と、解約済みの息子夫婦" 第20話

2階のかりと、私の居所

がけた。

元の朝、私はいつもよりく起きた。

台所で雑煮を作り、さなおせちを並べた。

今は、息子夫婦が昼頃に来る予定だった。

結さんは末から島根の実へ帰っていた。

帰省、結さんは玄関で言った。

「けに戻ります。お産、何がいいですか?」

私は笑った。

「気にしなくていいのよ」

結さんはし考えた。

「じゃあ、祖母が好きなお菓子を持ってきます」

私はうなずいた。

「楽しみにしているわ」

結さんが帰省している、2階は静かだった。

けれど、以のような寂しさはじなかった。

来週には戻ってくる。

その予定が分かっているだけで、違った。

午11半頃、インターホンが鳴った。

隆之夫婦と陽菜だった。

「おばあちゃん、あけましておめでとう!」

陽菜がるい声をげた。

私は笑って迎えた。

「おめでとう。寒かったでしょう」

美穂さんは産を差しした。

「お義母さん、今もよろしくお願いします」

私は受け取った。

「こちらこそ、よろしくね」

隆之は居へ入ると、し懐かしそうに部を見回した。

「ここ、変わらないな」

私は笑った。

「1階はね」

陽菜が尋ねた。

「結お姉さんは?」

私は答えた。

「今は実へ帰っているの。来週戻る予定よ」

陽菜はし残そうだった。

「会ってみたかったな」

私はうなずいた。

「会があればね。でも、お姉さんにも予定があるから、先に聞いておかないと」

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陽菜は元気よく答えた。

「分かった!」

昼の、美穂さんが台所の片づけを伝ってくれた。

私は洗い終えた皿を拭き、彼女は器棚へ戻していた。

しばらくして、美穂さんが言った。

「お義母さん、はいろいろすみませんでした」

私はを止めた。

「どうしたの、急に」

美穂さんはし笑った。

「引っ越しのことです。私たち、勝に話をめてしまって」

私は黙って聞いた。

「お母さんならんでくれるとい込んでいました。でも、実際は賃を浮かせることや、陽菜の送り迎えのことでがいっぱいで」

私はうなずいた。

美穂さんは続けた。

「お義母さんがどう暮らしたいか、考えていませんでした」

私は皿を置いた。

「そう言ってもらえるとうれしいわ」

彼女はししたようだった。

「しいは狭いですけど、最ようやく片づいてきました」

私は笑った。

「よかったわね」

「塾も、今は週2回にしています。本とも相談して、必な期にまた考えることにしました」

私はうなずいた。

「陽菜はどう?」

「より楽しそうです。曜に友達と遊べるようになったので」

私はわず笑った。

「あの子、そう言っていたものね」

美穂さんも笑った。

その、隆之が台所へ顔をした。

「母さん、器運ぼうか」

私は湯のみを指した。

「じゃあ、それをお願い」

隆之は素直に運んだ。

私はその姿を見て、しおかしくなった。

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の、息子は私のへむと決めていた。

毎の送り迎えも、私の仕事にするつもりだった。

今は、自分のへ帰り、自分の娘を迎えにき、自分たちで活をえている。

そして、私のへ来たには、器を運んでいる。

きなことではない。

けれど、私には分な変化だった。

午3頃、息子夫婦は帰る支度を始めた。

陽菜は玄関で私に抱きついた。

「おばあちゃん、また来るね」

私は背を撫でた。

「いつでも、先に連絡してね」

陽菜は笑った。

「うん!」

隆之は靴を履きながら言った。

「母さん、今も元気でいてくれよ」

私は答えた。

「あなたたちもね」

美穂さんがをげた。

「ありがとうございました」

私は玄関先で見送った。

3が角を曲がるまで、陽菜は何度も振り返ってを振っていた。

のへ戻ると、静けさが戻ってきた。

私は窓のを見た。

の庭には、修が植えたが赤い実をつけている。

私は仏壇へをわせた。

「お父さん、今もよろしくね」

写真の修は、いつものように笑っていた。

そのの夜、結さんからメッセージが届いた。

『あけましておめでとうございます。来週戻ります。今もよろしくお願いします』

私は返事をした。

『おめでとう。今もよろしくね。気をつけて帰ってきてください』

送信してから、私は階段を見げた。

2階には、今は誰もいない。

でも来週には、また灯りがつく。

私はそのことを楽しみにしていた。

の、私は「ひとりだとが広すぎる」とこぼした。

その言葉は、本当だった。

今でも夜になると、修がいないことを寂しくう。

でも、寂しさを埋めるために、自分のやをすべて差しす必はない。

2階の斎だった部は、若い学さんが勉する所になった。

隆之の部は、私が自分の物を理する部になった。

陽菜は、遊びに来るたびにしい話を聞かせてくれる。

息子夫婦は、自分たちの活を自分たちで支えるようになった。

そして私は、朝の散歩も、曜のも、変わらず続けている。

そのどれも、私にとって切な暮らしだった。

夜9過ぎ、私は戸を閉めた。

階段の照を消し、寝へ向かった。

誰かが緒にんでいるも、いないも。

こので、私は自分のを過ごしていく。

修と建てたを、いだけの所にしなくてもいい。

族を切にすることと、自分のを切にすることは、両できる。

私は布団へ入り、目を閉じた。

は、佳代さんと鴨川を歩く予定だ。

帰りには、用の半を買おう。

そんなさな予定を考えながら、私は眠りについた。

今の私には、もう「広すぎる」ではなかった。

ここは、私が自分で選んで暮らしているだ。

そして、これからもそうあり続ける。

(完)

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