みかん小説
本棚

"月3万で罵られる妻と、私の会社から50万貰う秘書" 第8話

「この、第条は何?」

私が指を差すと、夫の顔が瞬で引きつった。

「な、なんだそれは……ただの定型文だ! 会社を畳むの形式な文言だよ!」

「私がで会社の業務をっていたって、嘘じゃない。私は、帳簿すら見せてもらっていなかった」

「おが代表だろうが!」

夫はバンッ、と両でテーブルを叩いてちがった。 額に太い青筋が浮かびがる。

「代表が責任を取るのは当たりだろ! 誰のでこれまで飯をってきたとってんだ! たかが百万で自分のケツを拭けるんだから、ありがたくえ!」

「嫌です」

私は万を押し戻し、類からを引いた。

「この類にはサインしません。弁護士に確認してもらいます」

「弁護士だと……!?」

夫の顔が、気に変わった。 見かれた両目には、隠しきれない焦燥と激が煮えたぎっている。

「調子に乗るなよ、真由……! おがその気なら、こっちにも考えがあるぞ!」

夫はをひったくるように掴み、破り捨てる勢いで鞄にねじ込んだ。

「から、活費は円もさん! 気もも、全部止めてやるからな! 自分のでってみろ、無能が!」

義母も横から、鬼のような形相で叫んだ。

「親族におの悪を言いふらしてやるわ! 夫の世を邪魔する悪妻だってね! 悔しても遅いからね!」

罵声がび交うリビングので、私のは議なほど静まり返っていた。

広告

恐怖はなかった。 ただ、目ので喚き散らすが、あまりにも醜悪で、れだった。

夫がここまで焦っている。 それはつまり、都企画の包囲網が、すぐそこまで狭まっているという何よりの証拠だった。

翌の昼がり。 パートを終えて携帯の源を入れると、見らぬ固定話の番号から着信が残っていた。

局番は、さいたま。 留守を聞くと、い男性の声が入っていた。

『武蔵野みらい信用庫、融資課の川と申します。株式会社エム・クリエイティブ様より申請いただいております、規事業ご融資千万円の件につきまして、代表取締役の真由様のご面談程の件で――』

を疑った。

規融資、千万円? エム・クリエイティブが?

血の気が引くのをじながら、私はすぐにその番号へ折り返した。

「あ、もしもし! です。エム・クリエイティブの真由です!」

『あ、社、お話ありがとうございます。先、取締役の修様より申請類式をお預かりしておりまして。本に代表者様ご本の印鑑証と、個連帯保証の同に実印をいただきたく……』

「待ってください!」

私の叫び声に、話の向こうの員が息を呑んだ。

「私、そんな融資の申請、切承諾していません! 類も見ていません!」

『えっ……? し、しかし、申請には貴社の実印が押印されておりまして、専務からは「代表である妻の委任を受けている」

広告

と……』

「委任などしていません! 今すぐ、その融資続きを止めてください! これから弁護士同伴でそちらへ向かいます!」

話を切った瞬、の震えが止まらなかった。

千万円。 夫は、会社を隠れ蓑にして千万円もの借を引っ張り、それを個保証である私の名義に背負わせる気だったのだ。 だけを懐に入れて逃げ、会社を破産させれば、残った千万円の借はすべて連帯保証である私個に請求される。

どこまで……どこまで私をとして扱わないつもりなのか。

私はタクシーを拾い、柳弁護士と流して信用庫の支へと乗り込んだ。 応接に現れた融資担当の支代理は、私たちが提した弁護士名義の受任通と、今朝再登録したばかりの法の印鑑証を見て、顔面を蒼にした。

「融資の審査は、直ちに凍結いたします。危ないところでした……実印の印が、の古い登録印と致していたため、続きがんでしまっておりました」

「夫が、勝に持ちした古い印鑑です」 私は震える声で告げた。

「この会社名義での切の借り入れのはありません。もし今、修が単独で窓に来たは、直ちに警察へ通報してください」

支代理は何度もをげた。

をた、のたいがり始めていた。

傘を持っていなかった私の肩を、たい雫が濡らしていく。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: