"5年付き合った社長に退職届を出した日、私だけが知らなかったこと" 第12話
自分の名で、続きをく
怜司は、ベッドので指を組んだ。
「私は、自分に都のいい話ばかり聞いていた。仕事の評価も、真由の話も」
彼は顔をげた。
「彩乃が私を頼るなら、うまくいっているとっていた。困っているから頼ったんだとは、考えなかった」
私は黙って聞いた。
「事故のあと、森川さんを見ている彩乃を見て、昔のことをいした。私にも、ああいう顔をしてくれたことがあった」
彼の声が掠れた。
「もうないんだね」
「ありません」
怜司は線を落とした。
私は、彼が落ち込むのをらげる言葉を探さなかった。
「直さんは、今、私と暮らしを作っているです。あなたとは、仕事の関係です。それ以のことは、求めないでください」
彼は頷いた。
「わかった」
私は扉へ向かった。
「お事に。案件の残りについては、川から連絡します」
私は計を見た。直さんのところへ戻るに、くので頼まれたものを買う予定だった。
目ののが言葉を探しているからといって、自分の予定をすべて止める必はなかった。
を掛けたところで、呼ばれた。
「彩乃、すみませんでした」
私はち止まった。
「5、私がしたことを、あとのおや仕事で埋めわせられるとっていた。できないと、わかった」
私は振り返り、頷いた。
「今も、業務の窓を通してください」
「そうする」
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彼はしを置いた。
「元気で」
私は扉をけた。
廊には、理さんがいた。私の顔を見て、歩きだした。
「帰ろうか」
私は頷いた。
怜司は退院、本へ戻った。
担当者が替わり、仕事は契約どおりにんだ。私が復縁を断ったからといって、支払いが止まることはなかった。
元の会社との問題も、代理を通して理された。
虚偽の説は訂正され、評価の記録も見直された。会社との内容を確かめ、私は必な続きを終えた。
その結果がるまでにかかったを、怜司の謝罪つでなかったことにはできなかった。
ただ、ずっと同じ所にってり続ける必もなかった。
直さんの腕が治るまで、私はできる範囲で事をした。彼は片で料理をしようとして、私に止められた。
「今は、買ってきたものでいいです」
「退院祝いなのに?」
「だからです」
私たちはテーブルを片づけ、事を広げた。
特別な約束を何度も交わさなくても、の相談をできる暮らしがあった。
3目、しい会社は広いオフィスへ移った。
私が担当した案件も、育てたチームも増えた。最初の持ち分は5%だった。追加の取得は報酬や役割とともに協議し、契約を結んだ。そのには12%になっていた。
数字だけで仕事の価値が決まるわけではない。それでも、説もなくゼロを渡されていたころとは違った。
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度末の会で、理さんが更する契約を置いた。
「来も、続ける?」
私は条項を確認した。
「この担当範囲について、し相談したいです」
彼女は子を引いた。
「聞きましょう」
で内容を直し、私は自分の名をいた。
会の終わりに、直さんが来た。仕事を終えてから着替えてきたらしく、髪がし乱れていた。
「にった?」
「ちょうどです」
私は彼の袖を直した。
「夕飯、まだ?」
「これから。今は、私がを選んでもいい?」
私は頷いた。
建物をると、の階にはまだかりがついていた。残っているを気にして携帯話を見ると、チームから、作業は予定どおり終わったと連絡が来ていた。
私はお疲れさまですと送り、画面を閉じた。
は、自分の仕事へ戻る。
今夜は、直さんと事をする。
どちらも、誰かに選ばれたからに入ったではなかった。
私が選び、話しい、引き受けてきた暮らしだった。
彼がを差しした。私はそのを取り、駅へ向かった。
(完)