みかん小説
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"追放された妻と「離婚しないで」と泣く愛人" 第18話

私はスマホの画面を伏せ、通をオフにした。

「お母さん」

ろから、陽菜が顔を覗き込んできた。 宿題のノートを抱え、し首を傾げている。

「……あのおばさんの赤ちゃん、男の子だったんでしょ?」

「ええ、そうよ」

「その子も……私たちの弟なのかな」

唐突な質問だった。 けれど、陽菜の瞳には棘も、悪もなかった。 ただ、純粋な疑問だった。

私はししゃがみ込み、陽菜の目線にわせた。

「血の繋がりで言えば、そうね。弟になるわ」

「ふーん」

陽菜はし考えた、さく微笑んだ。

「別に、会いたいわけじゃないけどさ。元気にしてるといいなとはうよ。赤ちゃんには、何の罪もないもんね」

歳の子が、ここまで物事を真っ直ぐに見つめている。 かつて親の顔を窺い、びた仮面を被らされていた女は、自分の志で、者をいやれるさをに入れていた。

その、蔵庫ので絵を眺めていた奏太が、振り返って言った。

「その赤ちゃんも、きくなったら絵を描くのかな」

「え?」

「絵を描いたら、誰かに褒めてもらえるといいね。僕みたいに」

奏太の屈託のない笑顔に、に界が滲んだ。

傷つけられた子供たちが、自分を否定したと同じ呪いを、次の世代に押し付けようとはしていない。 その事実が、何よりも誇らしく、何よりもおしかった。

「そうね」

私はのを、両腕で優しく抱き寄せた。

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「きっと、に描くわよ。好きなものを、誰にも邪魔されずに描けるはずよ」

計の針が、午を指した。

「さあ、ご飯にしましょう。今は陽菜のリクエストのカレーよ」

「やったー!」 「僕、福神漬け盛りね!」

が弾んだ取りでダイニングテーブルに子を並べる。 湯気のつカレーを皿によそい、温かい湯気が部を満たしていく。

誰かの嫌を窺う必のない卓。 誰かの無い言に怯えて、息を殺す必のない。

あのでは、誰かが幸せになるたびに、必ず誰かがしなければならなかった。 誰かが笑うで、誰かが理尽に踏みつけられていた。

でも、ここは違う。

私たちは、誰かを追いさなくても、自分を犠牲にしなくても、緒に笑って暮らしていける。

「いただきます!」

元気なの声がなった。 窓のには、夕暮れの穏やかな空が、どこまでもどこまでも、青く澄み渡っていた。

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