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"三十周年に施設へ捨てられた妻と予約主の息子" 第12話

内容証を受け取り、さらに織さんから「譲渡」の嘘を暴かれた夫は、完全に逆したらしい。 目黒のマンションを諦めたくない織さんに「付を払えないなら警察に訴える、会社にもバラす」と脅された夫は、保のために亮太を呼びし、こう言い放ったという。

「おたちはまだ代だろ。ローンくらいで働いて返せ。の学だって公にかせればなんかかからない。俺はもうすぐだぞ。定のがかかってるんだ。親のをあてにするな」

亮太は叫んだという。 「母さんを追いせばをくれるって言ったのは親父だろ! 俺は親父の言う通りに施設の配までしたんだぞ!」

それに対して、夫は酷にこう吐き捨てた。 「俺がいつそんなことを頼んだ? おが勝に母親を厄介払いしたくてやったことだろ。俺を巻き込むな」

自分のを汚させ、都が悪くなれば「おが勝にやったことだ」と切り捨てる。 、庭ので夫が私に対して繰り返してきたと、寸分違わず同じだった。 かつては母親がその盾になっていたから、息子はその刃のたさをらずに育った。 そして今、その刃が、息子の喉元にまっすぐに突き刺さったのだ。

『私の両親は、亮太を追い返しました』

美咲さんのたい声が響く。

『「付の百万をドブに捨てたことより、自分の母親を騙して追いすような男に娘と孫は預けられない」

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って、父が激して……。亮太、今、パニックになって狂ったように私の携帯に話をかけてきています。……でも私、もうあのと顔をわせるのが怖いんです』

「美咲さん……」

『お義母さん、つだけお願いがあります』

美咲さんの声のトーンが変わった。 母親の、覚悟を決めた声だった。

『、の幼稚園の保育参観があるんです。、ずっとお義母さんに会いたがっていて……。亮太には来させません。私の母も付き添います。……の顔を、見に来ていただけませんか』

胸の奥が、ちくりと痛んだ。 歳の孫、。 無邪気で、懐こくて、私の焼く卵焼きが好きな、たったの孫。

「……ええ。くわ、美咲さん」

私は静かに答えた。 たちの沼の欲望の真んで、番割をらっているのは、何もらないあの子なのだから。

翌の午、れの空の、私は千葉内の幼稚園のをくぐった。

園庭にはとりどりの万国旗が揺れ、子どもたちの甲い歓声が響いている。 保護者用のネームプレートを首からげ、遊戯の壁際につ。 周りは代の若い夫婦ばかりで、私のような初老の女はし浮いていた。

「あ! ばあば!」

積みコーナーの奥から、青いスモックを着たさなが駆け寄ってきた。 だった。 満面の笑みで私の元にびついてくる。

「ちゃん」

私はしゃがみ込み、さな体をしっかりと抱きとめた。

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甘い汗の匂いと、園の砂の匂い。 このさなぬくもりを守るために、私はどれだけのを費やしてきただろう。

しれた所で、美咲さんと、美咲さんのお母様がっていた。 お母様は私に気づくと、申し訳なさそうに、けれどく、静かにをげられた。私も同じようにをげた。

「ばあば、これ見て! おうち作ったの!」

が私のを引き、積みで作られた恰好なタワーのへ連れてってくれる。

「にできたわね。いおかな?」

「ちがうよ、おうちだよ! おにわのある、おっきいおうち!」

は胸を張り、自げに両を広げた。 そして、無邪気な、曇りのない瞳で、私の顔を見げて言った。

「パパがね、ばあばがたくさんのじいじやばあばがいるおっきいおうちにったらね、ハレのおうちにすべり台ができるんだって!」

喉の奥で、息が詰まった。

臓が、氷を流し込まれたようにえ切っていく。

「……え?」

「ばあば、いつお引っ越しするの? ハレね、ばあばのお部にすべり台作ってあげるの。パパが言ってたよ。『ばあばがしてお引っ越ししてくれたら、みんなが幸せになれるんだ』って!」

周りの保護者の笑い声が、くへ引いていく。 の奥で、キーンという激しい鳴りが響いた。

息子は。 亮太は。

歳のが子にまで、自分の母親の追放を「族の幸せのための物語」

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