"介護を奪われた私へ「お母さん、やっと会えた」" 第3話
そこにはの推薦入試に向けた課題リポートと、古い活記録の写真が挟まれていました。
「葵ので、『域を支える々・私に響を与えた』というテーマの物取材の課題がありましてね。葵がどうしても、にお世話になった由美さんに謝を伝えたいと言いしたんです。青活センターの当の記録を辿り、ようやく連絡先が分かって、今伺うお約束を取り付けようとしていたところでした」
「のお世話ぁ?」
夫は笑いを浮かべたまま、私を指差しました。
「こいつは子供も産んだことのない、ただの専業主婦だぞ。のガキの世話なんてできるわけがないだろ」
「いい加減にしなさい、浩司さん!」
私のから、今までしたこともないような鋭い声がました。 夫が瞬、気圧されたように目を丸くしました。
葵が私の背から、そっと顔をしました。 涙で濡れた瞳で夫を睨みつけると、スクールバッグの底から、切そうにビニール袋に入れた『何か』を取りしました。
それは、つ折りにされた、端の擦り切れた画用でした。
の、母ののカード。 クレヨンで描かれた、揃いな赤いカーネーション。 そして、覚えたてのひらがなで、震えるような跡でかれたの言葉。
『おおきくなったら、こんどはわたしがおかあさんをたすける。
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あおい』
「由美ママはね、私のお母さんだったの」
葵は涙を拭いもせず、はっきりとした声で夫に言い放ちました。
「お母さんがんで、誰も信じられなくなって、ご飯もべられなかった私を、毎週抱きしめてくれたの! 靴紐を結んでくれて、私の絵を世界で番だって褒めてくれたの! 子供を産んだことがないから何なの!? 由美ママは、私にとっては誰よりも本物のお母さんだったよ!」
玄関が、静まり返りました。
美が抱く赤ん坊が、葵の気迫に驚いたのか、ふぇっとさく声をげました。
夫は顔を真っ赤にして、拳を握りしめました。 自分が『子供を産めなかった役たず』と罵倒した妻が、自分のらない所で、の女から『お母さん』と崇められている。 その事実が、夫の歪んだプライドを猛烈に逆撫でしたようでした。
「……勝なこと言ってんじゃねえぞ、所のガキが!」
夫は鳴り散らしました。
「ごっこならでやれ! ここは俺の実だ! 今にこの女を追いして、しい族でむなんだよ! 部者はさっさと失せろ!」
「浩司さん、お客様に対してその物言いは何ですか」
私は葵のをしっかりと握り返しました。 葵のは、さくて、温かかった。
、歳だった私の記憶が、鮮やかによみがえってきました。
妊治療を諦めた直、私はきているを見失いかけていました。
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でベビーカーを押す母親を見るだけで胸が苦しくなり、夫からは「気楽な専業主婦」と蔑まれる々。 自分の空っぽな体とが耐えられなくて、私は内の児童活センターのボランティアに登録しました。
そこで会ったのが、歳だった葵でした。 病気で母親をくし、父親は育児放棄。 引き取りを探すまでの、叔母の奈津子さんが仕事の都をつけるまで、葵は活センターに預けられていました。
の子供たちが母親にを引かれて帰っていく夕方、葵はいつも玄関の隅で、膝を抱えて座っていました。
ある激しいの、お迎えの遅れた葵が、私のを握ってぽつりと言ったのです。
『由美さん、どうして私のお母さんは、迎えに来てくれないの?』
私は何も言えずに、ただ葵を抱きしめました。 私の目からも涙が溢れて、で傘も差さずに濡れながら泣きました。 それから、葵は私のことを『由美ママ』と呼ぶようになりました。
、奈津子さんの仕事とまいがい、葵は隣県の町へと引き取られていきました。 別れの、葵がさなで私に押し付けてくれたのが、あの母ののカードでした。
私はあのカードを、、誰にも触らせない私の裁縫箱の底に、切にしまい続けていたのです。
「奈津子さん、葵ちゃん」
私はに向き直り、くをげました。
「見苦しいところをお見せして、本当にごめんなさい。