みかん小説
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"「お前は家族じゃない」と言った夫へ" 第13話

「何言ってるのよ」 陽子はいたずらっぽく笑った。

「今回は、美智子が向こうにつの。ほら、くって。のそば!」

「え……? でも、私……」

「いいから! 主役はあなたなんだから!」

陽子に背をぽんと押され、私は戸惑いながらのほとりへと歩いた。 元の砂利がサクサクと音をてる。

を背にしてち、カメラを向けられる。 レンズの黒い円が、まっすぐに私を捉えていた。

……どうやって笑えばいいんだろう。

、の笑顔ばかりを何百枚も残してきた。 自分の顔がカメラに向けられることなんて、何も、何もなかった。 ぎこちなく角を引きげようとすると、陽子がファインダー越しに叫んだ。

「美智子! 肩の力抜いて! もっと胸張って、笑って!」

その声に、ふっと体から余計な力が抜けた。

青い空。 どこまでも透な面。 葉し始めた々。 そして、自分のでこの所にっている、代の私。

カシャ、と乾いたシャッター音が響いた。

「よし、撮れた! 見てみて、すごくいい顔してる!」 駆け寄ってきた陽子が、スマホの画面を見せてくれた。

画面のに映っていたのは、し照れくさそうに、けれど驚くほど自然に、目元を細めて笑っている私の姿だった。

その写真の真んに、私はいた。

誰のに隠れることもなく。 誰かに無理やり席を譲ってもらうこともなく。

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自分の志で、自分のの真んに、しっかりと両でっていた。

胸の奥から、温かいものが込みげてきた。 界がじわりと滲む。

あの、伊豆の旅館で義母は言った。 『あなたは入らなくていいわ。族じゃないんだから』

正彦は言った。 『ほら、く撮ってくれよ』

あの言葉を、私はみ続けるのだとっていた。 胸に刺さった錆びた棘のように、ぬまで私を苛み続けるのだとっていた。

けれど、違った。

畔のに吹かれながら、私はので静かに微笑んだ。

私はもう、あの写真に入りたくなかったのだ。 嘘で塗り固められた見栄の輪のに、私の居所なんて最初から必なかったのだ。

「……ありがとう、陽子」

「どういたしまして。さあ、次は温泉入って、美しい鮮丼べにこう!」

「ええ、きましょう」

私は歩きした。 カバンのから自分のスマホを取りし、待ち受け画面をく。 そこにはもう、の族の写真は枚もない。

これからの私のを、私は自分ので歩いていく。 誰かののシャッターを押すだけの脇役ではなく。 私自の物語ので、胸を張って笑うために。

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