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"恩人面する夫の47分" 第8話

そして、その事実を母亲に打ちけ、母親は息子の保のためにそれを隠蔽し、私に「謝しろ」と言い続けていた。

。 この親子は、して私を騙し、嘲笑い、父を見殺しにした罪を隠したまま、私にをげさせていたのだ。

「……鬼?」

私の喉から、く、掠れた笑いが漏れた。

「お義母様。この男は、あなたの切な息子かもしれません」

私は歩、義母のに踏みした。

「でも、あの、たいので息を引き取っていったは――私の、たったの父親です」

義母が息を呑み、息が止まったように固まった。 その顔には、もう反論の言葉など文字も残っていなかった。

「浩司さん」 私は振り返り、壁際までずさっていた夫を見据えた。

「あなたの言う通り、のあの瞬、すぐに救急を呼んでいれば父が確実に助かったかどうかは、医学にはもう証できないかもしれない」

夫の喉仏が、ゴクリと音をててした。

「でもね。あなたが父親の命よりも、自分の横領の隠蔽を優先したという事実は、決して消えない」

「由美、待て……話せばわかる、俺たちは夫婦だろ……!」

夫のが、震えながら私に向かって伸ばされた。 かつて親族ので私を「ただの飯炊き係」と嘲笑った男が、今は青ざめた唇を震わせ、命乞いのようにを伸ばしている。

その、リビングのテーブルので、夫の社用スマートフォンがけたたましく鳴り響いた。

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画面に表示された名は、『メインバンク・融資課』。

夫はハッとして、すがるようにスマートフォンをひったくり、通話ボタンを押した。

「も、もしもし! 藤原です! 例の3,000万円の送の件ですが――」

受話器の向こうから、淡で事務な声が漏れ聞こえてきた。

『あ、藤原社。先ほど御社の株主である藤原由美様より、会社法に基づく株主権使の通と、監査役同での送差し止め請求が正式に提されました』

「な……んだと!?」

『また、当コンプライアンス統括部において受取であるエム・ソリューションズ社の法実態を調査した結果、実体性のないペーパーカンパニーであると判断いたしました。よって、本の送続きは全額凍結いたしました』

「バカな! 俺が代表取締役だぞ! なぜ株主の言うことなんか聞くんだ!」

『社、これ以の弁はお控えください。予定されている臨役員会において、顧問弁護士同席のもと、特別背任の疑いに関する社内調査委員会の設置が決議されると伺っております。当としても、御社への融資枠の維持について再審査に入らざるを得ません』

ブツン、と無なツーツー音がリビングに響いた。

夫の指から力が抜け、スマートフォンが絨毯のに滑り落ちた。

「終わった……」 夫のから、乾いた掠れ声が漏れた。

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の会社へ逃がすはずだった3,000万円。 それを使ってしいを始めるはずだった計画。 すべてが、泡となって消えった。

髪を入れず、玄関のチャイムが鳴り響いた。

ピンポーン。

静まり返ったのに、その子音が鋭く突き刺さる。

夫は弾かれたように肩を震わせ、怯えた目で玄関の方を見つめた。 義母もまた、にへたり込んだままを縮こまらせている。

私はを瞥することなく、静かにリビングをて、玄関のい扉をけた。

そこにっていたのは、本弁護士と、経理部のさんだった。 の背には、黒いコートを着たの男性の姿もある。 本法律事務所の調査員たちだった。

「由美さん、お疲れ様でした」 本先が静かにをげた。

さんが、にした分い革の鞄を抱え直す。 その目には、の屈辱と忍耐を乗り越えた、揺るぎない覚悟が宿っていた。

「奥様。先ほど、伊藤美穂が会社の経理PCからデータを削除しようとしたため、社内規定違反および証拠隠滅の恐れがあるとして、警備員ち会いのもと柄を確保し、警察へ通報いたしました」

リビングの奥から、ガタガタと物が倒れる音が聞こえた。 夫が廊へいてきて、鬼気迫る顔で私たちを見げている。

「た、……! お、美穂を……!?」

さんは、にいつくばるかつての司を、の切こもっていない徹な目で見ろした。

「社。

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