"夫の賞与を全額カットした私に残された離婚届" 第15話
自分の打ったその文字を見て、胃が激しく波打った。
ヒステリックな女。
私は夫に向かってそう言ったのだ。
彼が私の幼馴染みが怪しいと忠告してくれたのに。
私はさらににスクロールした。
その1週にも、彼はメッセージを送っていた。
『はるか、圭と事にった、また会社のこと聞かれた。彼、君にチップアーキテクチャのことたくさん質問してたよね。もう彼にそういう話はしないでくれないか?』
私の返信はこうだ。
『干渉しすぎよ。圭は投資なんだから、業界の向をるのは当たりでしょう。あなたは自分の仕事だけちゃんとしてればいいの』
スマホを閉じる。
暗のに座りながら、私は自分が内側から側まで皮を剥がされたような気分になった。
彼は忠告してくれた。
1度だけでなく何度も。
彼は川圭がUSBメモリを持っているのを見た。
圭がコア技術を探っているのに気づいた。
彼は私に伝えようとしたのに、私はその度に彼を突き放した。
の狭い男だと罵り、疑暗鬼だと罵り、ヒステリックだと罵った。
それから彼は、言わなくなった。
彼が言わなくなったのは、自分が違っているとったからではない。
私に言っても無駄だと分かったからだ。
私が信じないから。絶対に信じないから。
だから彼は、自分でくことを選んだ。
広告
この3ヶ、彼が毎朝ビジネスバッグを持ってかけていたのは、仕事にくふりをするためではなかった。
彼は調査していたのだ。証拠を集めていたのだ。
彼は1でを回り、3ヶのをかけて、本来なら私がやるべきだったのに全くやらなかったことをしていた。
そして私はこの3ヶ、彼が数がなくなったといい気になり、会社の満を言わなくなったといい気になり、それでもようやく空気が読めるようになった、私に反抗しなくなったとっていた。
私というは、本当に救いのない盲目だった。
私は勢いよくちがり、バッグを掴んで社をびした。
をばしてへ帰る。
あの暗証番号が変えられた。
回、鍵が残していった仮のパスワードを入力する。
ドアがいた。
寝に駆け込み、あのキャッシュカードを探しす。
カードの裏面を見ると、さなMicroSDカードがテープで貼り付けられていた。
暗証番号は私の誕。
カードリーダーを挿し、PCをく。
SDカードのには、数字の羅列で名付けられたファイルが1つあった。
クリックすると、パスワードの入力を求められた。
私の誕を試す。
違う。
結婚記。
違う。
彼の誕。
違う。
私は画面のパスワード入力欄を見つめながら、をフル回転させた。
ふといした。
広告
結婚したあの夜、彼が私のを握って言った言葉。
「君ののただの背景にはなりたくないんだ。僕は君のパートナーになりたい」
私は震える指でローマ字入力した。
違う。
本語入力した。
違う。
目を閉じ、必にいした。
彼があの言葉を言った、ろに何が続いていた。
「僕は君のパートナーになりたい。君に僕を見てほしい」
私はあの付を入力した。
私たちが結婚した。
違う。
彼があの言葉を言ったを入力した。
夜の917分。
0917。
ファイルがいた。
には数百のファイルが入っていた。
スクリーンショット、音声データ、画、通話記録、の細、IPアドレスの追跡記録。
全てが、1の物を指し示していた。
川圭。
最初のフォルダーをく。
にはこの3で圭が私の会社に来たの監カメラの映像のスクリーンショットがあった。
彼は来るたびに私の社にく滞し、彼がったには必ず社内のサーバーに異常なデータアクセスがあった。
2つ目のフォルダーは、川圭と競社とのメールのやり取り。
彼は私の会社のチップアーキテクチャのデータを売っていた。
しずつ、3にわたって。
3つ目のフォルダーは、の取引細。
川圭の座に、3で計4億円が入されている。
全てあの競社からだ。
4つ目のファイルは音声データだった。
クリックすると、川圭の声が、見らぬ男と話しているのが聞こえた。
「はるかの方は僕がうまくやる。彼女は僕を信じきってるからね」