"認知症の父がベッド裏に隠したノート" 第15話
彼女は私の首を掴むようにして引き寄せると、周囲の目を警戒しながら、震える声で打ちしてきたのだ。
「……あなたの、ご族。……絶対におかしいですよ」
「え……?」
「ここでは目がありますから、へ来てください。実は今、お父様のかかりつけの総病院から、当施設へ緊急の話が入ったんです!」
スタッフにを引かれ、業務用のエレベーターを使って階の奥まった所にある相談へと通された。い防音ドアが閉ざされ、密となった空で、その女性スタッフ――名札に『ケアマネジャー 本』とかれた女性は、息をえながら私に向かってをげた。
「杜若菜さんですね。私、笹野茜さんの護学代からので、ケアマネジャーの本と申します」
「あ……茜の、おりいの……!」
「はい。茜さんから、今の施設見学の件について事に相談を受けていたんです。そして先ほど、茜さんを通じてお父様の主治医の先のにも見学の件が入りまして……先が、『もし今のうちにあの奥様たちの言いなりで契約を結んでしまったら、女の娘さんが涯取り返しのつかない悔をすることになる』と判断され、急遽、病院から直接こちらへ連絡を入れてくださったんです」
医師と茜の迅速な連携に、私は鳥肌がつような戦慄を覚えた。 本ケアマネジャーはデスクののカルテの写しを指先でトントンと叩きながら、極めて刻な面持ちで告を続けた。
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「病院側と私どもの見解は、完全に致しています。……信助さんは現、常に自宅の奥の部に閉じ込められ、まともな事や分を与えられず、部から歩もしてもらえていない能性が極めていです」
「……っ!?」
あまりに悍ましい事実に、私の喉からヒッと息が漏れた。本さんは眉をひそめ、言葉をねる。
「いくら脳血管性認症とはいえ、たった半のにこれほど急激に認能が崩壊し、筋力が著しく衰し、体がキロ以も激減するなど、自然な病状のとしては自然極まりないのです。お母様やお姉様たちのこれまでの言や、病院での異常な質問内容を鑑みれば……図に過剰なストレスを与え、衰を加速させるようなネグレクト、あるいは何らかの体虐待がわれていると考えるのが極めて自然です」
私の全を、底れぬりと戦慄が貫いた。 病気がしたのではない。母と姉たちが、父をくに追いやるために、あるいは完全に廃にして遺産を奪うために、図に暗のに監禁し、衰させていたのだ。
「もちろん、当施設に入居していただければ、私どもが全力を挙げて信助さんをお守りいたします。……ですが、もしご庭の事が許すのであれば、信助さんはあの奥様やお姉様たちから、物理に何百キロもれた所へ引きすべきです。
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あのたちのの届かない所へ、今すぐにでも」
本さんのその真剣な差しを受け止めた瞬、私の迷いは瞬にして吹きんだ。 受験の息子の母親だから、仕事が忙しいから、そんな言い訳をしているではなかった。今、目ので、私をからしてくれた父の命が、実の族のによってすり潰されようとしているのだ。
「……父のことは、神戸で私が見ます」
私のからた言葉は、自分でも驚くほど静かで、確固たるみを持っていた。 悠也からはすでに発に「お父さんのためなら何でも協力する」という絶対の許をもらっている。私が覚悟を決めさえすれば、父を救いすことは能なのだ。
「それが最善の選択だといます」 本さんは力く頷いた。 「ですが……今、の階にいらっしゃるお母様たちをどう説得するかですね。あの様子では、今に何が何でも契約を済ませて、お父様をここに置いていこうとなさるでしょうし……」
「とりあえず、今の契約だけは何としても阻止したいです。を稼ぐことさえできれば、何か決定な対策をてられるはずですから」
私の訴えに、本さんは頼もしく頷いてみせた。 「分かりました。それくらいのことでしたら、私にお任せください」
階の個へと戻った本ケアマネジャーは、かなり引な芝居を打ってくれた。