"存在しない306号室" 第7話
を殴られたような衝撃だった。
「打ち直した……?」
「ああ。徒の部割りを警察に見せるとき、元々の女子部と男子部のままじゃ、夜にが緒にいた理由が説つかねえだろ。『最初から同じグループとして特定の部に集めていた』という形にするために、田辺が慌てて作った捏造のリストだ。だが、学の角印が押してある原本をき換えるわけにはいかねえから、控えのコピーに印鑑だけ押し直して……結局、辻褄がわねえって気づいて、警察にはさずに握り潰したんだよ」
あの表は、の真実の記録ではなかった。 が、嘘をつくために作った、破綻した偽造作の残骸だったのだ。
「……じゃあ、誰が」 藤原先が呆然と呟く。 「誰が、この表を私のところに送ってきたの?」
井は首を横に振った。 「らねえよ。俺はそんなもん、とっくに捨てたとってた」
にると、はのようなに変わっていた。 の空気は、肌を刺すようにたい。
「宮本さん、どうするの……?」 に戻った藤原先が、ハンドルに額を押し当てて震えている。 「もう、警察にすべて話すしかないわ。井さんの証言もある。田辺先が識でも――」
「まだりません」 私は助席で、膝ののバッグをく抱きしめた。 「井さんの証言だけじゃ、『徒たちが勝に指示を無して旧館へ踏み込んだ』という過失を、全部あの子たちに押し付けられて終わります。
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学法は弁護士をてて、田辺先個の暴として処理する。姉たちは永に、『の言いつけを破って危険な廃墟に入った無謀な子供たち』のままです」
は、なぜ防扉をけたのか。 「ここで待ってろ」と言われたはずのが、なぜ、暗との、崩れかけた鉄骨を渡ったのか。
その理由がわからない限り、姉たちの名誉は取り戻せない。
「もう度、宿に戻ります」
「えっ? でも、あそこはもう――」
「解体事の現監督に会います」 私はスマートフォンを取りした。 建築設備関連の業界ネットワーク。私の勤める会社が過に取引のあった解体業者の名簿から、現の元請け企業を検索する。
『信州環境発株式会社』。
現代理の名を見つけ、直接話をかけた。 同業者としての名乗りをげ、解体の現確認という建で、現事務所のプレハブを訪ねる約束を取り付ける。
夕方。 作業員たちが引き揚げ始めた馬楼の駐。 現事務所のプレハブで、作業姿の太りの男――現代理の佐藤が迎えてくれた。
「宮本さん? 図面データの確認って話だったけど、こんな夕方にわざわざ京からかい」
「急な連絡ですみません」 私は名刺を差しし、本題を切りした。 「実は、本館階の旧清掃具置……図面で306号と仮称されていた区画について、至急確認したい設備があるんです」
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佐藤の顔が変わった。 タバコを揉み消し、警戒するように私を見つめる。
「……あんた、まさか例の失踪事件の関係者か?」
臓がねた。
「なぜ、それを」
佐藤はため息をつき、プレハブの奥にあるスチール棚から、油とで汚れた青い脂製の装ケースを引きしてきた。
「今の午、階の井裏を剥がす先解体をやってたんだよ。アスベストの無を確認するために、配管スペースを抜いてたらな……井の点検の奥、梁とダクトの隙に、これが落ちてた」
ケースの蓋がけられた。
に入っていたのは、と埃にまみれ、殻のプラスチックがひび割れた、さな子器だった。
の、ソニー製のハンディカム。
「……あ」 私のから、細い鳴のような息が漏れた。
本体の側面に、褪せたいテプラが貼られていた。 角の丸まったシールに、黒いインクで印字された文字。
『野県○○等学 報部・備品04』
森本健太が、いつも首からげていたカメラだった。
「警察には?」 藤原先が震える声で尋ねる。
「、本部の防犯課に届ける予定だったんだよ。だが、現の連がバッテリーをして確認したら、のSDカードは奇跡にきてた。業務用のアダプタで読み込んでみたら……画が本だけ、サルベージできた」
佐藤は事務所の古いデスクトップパソコンの画面を、私たちの方へ向けた。