"ただの送金係にされた母親" 第14話
【14】「俺は、みんなが失望する顔を見るのが怖かった」
「取り万……?」
正弘が震えるで与細を掴み、穴がくほど見つめていた。
「借入残、万円……? 翔太、お……昇したんじゃなかったのか? 役職当がついたから、親父の施設代くらい余裕だって……全部嘘だったのか?」
正弘の顔から、急速に血の気が引いていく。
「それだけじゃありません」
彩さんが追い討ちをかけるように言った。
「先までお父さんに渡していた万円のどころは、お義母さんが翔太さんの活を配して振り込んでいた仕送りです。お義母さんは、息子がで暮らすための賃のしだとって渡していました。翔太さんはそれを、そのまま横流ししていたんです」
正弘のから、与細が滑り落ちた。
「俺は……俺は、婚した女ので……息子の借で、ここにいたのか……?」
かつてプライドの塊だった元夫が、見るも無惨に肩を丸め、掠れた声を漏らした。
「どうしてだ、翔太……。がないなら、ないとなぜ言わなかった! 俺をこんな惨めな化にしやがって!」
突っ伏していた翔太が、弾かれたように顔をげた。
その目は真っ赤に充血し、涙とでぐしゃぐしゃになっていた。
「言えるわけないだろ!」
息子の喉から、押し殺した獣のような叫びがびした。
「がないって言ったら、親父は俺を『頼りない息子』って見すだろ! 母さんに『親父を助けたい』って言ったら、母さんは裏切られた顔をして泣くだろ! 彩に『減されて借がある』って言ったら、結婚なんて断られるに決まってるだろ!」
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翔太の爪が、製のテーブルにくい込んでいた。
「俺は孝息子なんかじゃないよ! 優しい夫でもない! ただ……みんなが俺に失望する顔を見るのが怖かったんだ!」
、息子の胸の奥底に澱のように溜まり続けていた本音が、初めて言葉となって吐きされた。
「親父に失望されたら、俺の価値がなくなる気がした。母さんに失望されたら、俺が歳の頃からやってきたが全部消える気がした。彩に失望されたら、俺の未来がなくなる気がした……!」
翔太は胸元を掻きむしりながら、嗚咽を漏らした。
「俺は誰も助けたくなんかなかった! ただ、真実をったみんなが、俺のコントロールできない選択をするのが怖くて……だから嘘をついて、借をして、みんなの目隠しをしてただけなんだよ!」
部のに、翔太の荒い呼吸と泣き声だけが反響していた。
正弘はを半きにしたまま、息子の絶叫を受け止めていた。
私は胸の奥を鋭い刃物でえぐられるような痛みを覚えながら、息子の涙を見つめていた。
この子は、のために自分を犠牲にしていたのではない。
の失望から逃げるために、全員のを勝に買い叩いていたのだ。
その歪んだ保の仕組みを、今、自分自の言葉でのに晒したのだ。
佐藤ケアマネジャーが、静かに帳をいて咳払みをした。
の嵐が吹き荒れた部に、再び徹な現実のが戻ってきた。