"ただの送金係にされた母親" 第11話
【11】「全てを話さないなら、今すぐ婚届をす」
「誰も迷惑しない?」
彩さんが、嘲笑うようにく吐き捨てた。
彼女は自分のバッグの底から、あの披宴のに預かった緑の用——翔太の署名捺印済みの婚姻届を引っ張りした。
そして、翔太の目ののテーブルのに、叩きつけるように置いた。
「あなたが百万の借をねて、毎利息だけで首が回らなくなって、最終に自己破産した、その横にいる妻のはどうなるの? 私の名義で部を借りて、私の料であなたの借の穴埋めをして、まれてくるかもしれない子供の教育費を削って暮らせって言うの?」
「彩、そんなことにはさせない……! 俺が副業でも何でもして、絶対にで返すから!」
「返せるわけないでしょうが!」
彩さんの鋭いが、リビングの壁を震わせた。
「取り万のが、万の施設代を払いながら、利15パーセントの借を返せるわけがない! 学の算数すらできないほど、あなたのは都のいい嘘で麻痺してるのよ!」
翔太は息を呑み、反論の言葉を失った。
彩さんは婚姻届の横に、もう枚の類を並べた。
役所の窓でしくもらってきたのであろう、真っな婚届だった。
「、役所にきます。婚姻届をすか、この用をすか、どちらかつです」
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「彩、頼む……! やり直させてくれ! 俺が悪かった、もう度と借はしない!」
「言葉だけの謝罪は聞き飽きました」
彩さんは酷なまでに落ち着いた声で、最通牒を突きつけた。
「、お義父さんのいる藤の苑へきなさい。私とお義母さんもきます。で同じテーブルに座って、あなたがこれまで隠してきたこと、借のこと、料のこと、そしてこれからの現実を、すべてお父さんのでのに晒しなさい」
「親父に……全部話せって言うのか……?」
翔太の顔が恐怖に歪んだ。
「無理だ! 親父はプライドがいんだ! 息子の俺が借まみれで、母さんので養われてたなんてったら、親父は発狂する! 俺がこれまでやってきたことが全部無駄になるんだよ!」
「無駄になったのよ、とっくに」
私は息子のにみた。
「翔太。私はもう、あなたに円も渡さないわ」
息子が、すがるような目で私を見げた。
「母さん……? 見捨てるのか? 俺は母さんのために、親父のを隠して……」
「いいえ。あなたは自分のために嘘をついていただけよ」
私ははっきりと告げた。
「これ以、あなたに嘘をつくための資は渡さない。仕送りは今で完全に終わり。あなたがどれだけ困っても、私はあなたの借を肩代わりしないし、正弘さんの施設代も払わない」
逃げを、完全に塞がれた息子の喉から、ヒュウという掠れた呼吸音が漏れた。
彩さんが、ややかに告げた。
「の午までに、お父さんと施設側に話しいのを設定しなさい。そのスマホにあるモビットの契約を取り消して、のですべての通帳と借の細を広げるのよ」
彩さんは婚届を指先でトントンと叩いた。
「それができないなら、の分に、私はこの用をで役所にしにきます。あなたとの関係は、法に始まるに完全に終です」
彩さんは振り返り、躊躇なく玄関へと歩きした。
私も息子の顔を瞥することなく、そのに続いた。
背で、膝から崩れ落ちるようない音が響いたが、度と振り返ることはなかった。