"「お前はただの手伝いだ」" 第14話
数珠袋の底の鉛き
修司は眉をひそめ、警戒するように私の指先から片を引ったくった。
それは、会館の受付に置かれている粗末な話メモ用だった。角が丸く擦り切れ、鉛の先で何度も押し付けられたような、震える跡が残されている。
修司の線が、その数の文字列に落ちた。
次の瞬、彼の喉仏がごくりと音をてていた。
顔から、血の気が引いていくのが目に見えて分かった。朝の青いので、彼の皮膚が気へと変していく。
メモには、たったこれだけがかれていた。
『修司へ。
げさなで、あたしのを飾るんじゃないよ。
あたしは派でも何でもなかったし、おも成功なんかしていない。
静かに逝かせておくれ。
あたしのまで、おの商売にするんじゃない』
を持つ修司の指先が、刻みに震え始めた。
「……何だこれ……」
かすれた声が、彼の唇から漏れた。
「嘘だ……。おふくろが……こんなこと、くはずがない……。俺は、親父がんだ、借だらけだったこの会社をて直したんだぞ……! 館を建てて、霊柩を買い替えて、社員を倍に増やして……! おふくろに自由ないなんて、度もさせたことはない!」
「ええ。あなたは会社をきくしたわ」
私は歩、修司にづいた。
「でもね、修司。静さんが番怖がっていたのは、あなたのその『成功』のでぬことだったのよ」
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「……何だと?」
「あのはっていたの。あなたが売を伸ばすたびに、誰かが泣き寝入りしていることを。遺族のみに付け込んで額なプランを売りつけ、親孝という言葉で脅して判を押させていることを。……あのは、あなたが仕切る現をろの席から見届けて、ノートに全部記録していた」
修司の目がきく見かれた。
「ノート……?」
「『修司の顔が、父親のたい横顔にそっくりになってきた』っていてあったわ。、あなたは『んだのことなんて、きているが納得すればいい』と言い続けてきた。派なを並べ、い戒名をつけ、勢の参列者を集めることが、親を送る唯の正解だと信じ込んできた。でも静さんは、自分の体をあなたの虚栄の具にされるのが、底耐えられなかったのよ」
朝のたいが、のを吹き抜けた。
飾られた百のびらが枚、ハラリとアスファルトのに落ちた。
「修司。あのはあなたをんでいたんじゃない。あなたを否定したかったわけでもないの」
私は修司の目を、逃げのない距から見つめ返した。
「ただ、恐怖していたのよ。実の息子が、最まで『の』のさに気づかないまま、怪物になっていくことを」
修司はち尽くしていた。
握りしめられたメモ用が、くしゃりと音をてて潰れた。