みかん小説
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"「お前はただの手伝いだ」" 第7話

黒い表の監査記録

名簿の名のうち、連絡がついたのは夕方までに名だった。

古い固定話の番号は解約されているものがく、私は名簿の所を頼りに、件件話帳をめくり、隣の民委員や老ホームに問いわせをねていた。

その、修司は事務所の奥に閉じこもり、誰彼構わず話をかけて鳴り散らしていた。議会議員の秘に「族のい希望で密葬になった」と苦しい言い訳を並べ、の社に違約の減額を懇願する声が、壁越しに漏れ聞こえてくる。

午。私は名簿の残る名の連絡先を探すため、再び旧館階の義母の部へがった。

押し入れの奥にある類ケースを引っ張りし、古い賀状の束を改める。その、最段に置かれていた黒い布張りの文箱が目に留まった。

蓋をけると、には分いB5サイズの黒いノートが冊、きっちりと紐で縛られて収められていた。

表には、義母の几帳面な字でこう記されていた。

『倉岡葬儀社 施記録私監査 倉岡静』

私は紐を解き、番にあったノートの頁をめくった。

臓の鼓が、の奥で急激にきくなっていく。

それは記ではなかった。過にわたり、倉岡葬儀社が請け負った葬儀のうち、静さんが「般会葬者」に紛れて密かに見届けていた、数件の現記録だった。

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『〇 A・告別式。

故は暮らしの暮らし。喪主の男は非正規雇用。

当初、男は直葬(葬のみ)を希望していたが、修司は「世体」と「親孝」を盾に取り、万円の基本セットに万円の遺体保全(エンバーミング)、万円の特注布張り棺を追加させた。

男が契約にサインする際、指先が激しく震えていたのを私はろの席から見ていた。

あれは供養ではない。ただの脅迫だ』

『〇 B・通夜。

未が「番いおでいい」と涙ぐんだところ、修司は「旦様が葉のでしまれますよ」と囁き、祭壇をワンランクの祭壇に変更させた。差額万円。

あの女のは、来の賃をどう面するつもりなのだろうか。

修司の顔が、昔の父親のたい横顔にそっくりになってきた。恐ろしいことだ』

ページをめくるが止まらなかった。

付、名、請求額、そして修司が使った営業トークの文句が、容赦のない致で記録されていた。

静さんは、っていたのだ。

事務所の神棚のを替え、帳簿の隅を眺めながら、息子がこので何を失い、会社をどのような組織に変えてしまったのかを、すべてろから徹に見据えていたのだ。

そして、冊目のノートの最終ページ。

付は、半のになっていた。

『修司はもう、者を送るではない。

遺族の罪悪と見栄を担保にしてを巻きげる、ただの当鋪の番だ。

私がんだとき、あの子に私の骨を触らせてはならない。

あの子に任せれば、私の骨の髄にまで値札が貼られるだろう。

だが、番罪いのは――』

文字がそこで途切れ、激しい圧の染みが残されていた。

私は息を詰めたまま、そのページの余を見つめた。

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