"不妊扱いされたサレ妻と、91歳の秘密" 第12話
すると、に突っ伏していた信弘が、ボソリと元を歪め、独り言のように呟いたのだ。
「……ふん。俺には……ばあちゃんの遺産が入るまでのだ……」
「……何だって?」
私が問い詰めると、信弘はすがるような卑しい目で顔をげた。
「ばあちゃんはもう歳だ! このも、も、ばあちゃんが貯め込んだも、ばあちゃんがねば全部息子の子供である俺の元に入ってくるんだよ! 慰謝料くらい、遺産が入れば発で払えるんだ!」
どこまでも謹慎で、浅ましい皮算用。 だが、その言葉を聞いた瞬、おばあちゃんの瞳に氷のようなたいが宿った。
「あんたに入る遺産など、円たりともありゃしないよ!」
おばあちゃんの杖が、テーブルの脚を鋭く叩いた。 乾いた鋭い音がリビングに響き渡る。
「う……嘘だろ……? ばあちゃん、たったのい孫を見捨てるのかよ!?」
「散々を『ボケ老』呼ばわりして邪魔者扱いし、介護のすべてを嫁に押し付け、挙句の果てにから追いそうとした恩らずが、どのでい孫だなどと抜かすかい!」
おばあちゃんは懐から、通の厳封された公正証を取りし、テーブルのに叩きつけた。
「私が姿を隠していたこの数のに、顧問弁護士を呼んで公正証遺言をきっちり作成し直したんだよ。私はけい子さんと正式に養子縁組を結び、私の全財産——このも、も、預貯も、広な農も、すべてけい子さんに相続させる続きを完させた! あんたには遺留分すら渡さないよう、廃除の続きもめてある!」
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「なっ……!?」
信弘の瞳から、完全にが消えった。
「私を粗ゴミのように邪魔者扱いするようなは、族でも孫でもない! それにね、私はまだまだ健康そのものだ。あんたなんかに取られずとも、あとはピンピンきてやるよ!」
最の頼みの綱であった「祖母の巨額の資産」という逃げを完全に断たれた信弘は、真っなのようにそのに崩れ落ちた。 そこへ、にへたり込んでいたさやかが、ドロドロに溶けた顔を振り乱しながら、私の元へといつくばってきた。
「お姉ちゃん! ごめんなさい! 許してぇぇぇ! さやかを助けてぇ!」
さやかは私のスカートの裾に縋り付いて泣き叫んだ。 すると、それを見た信弘が、に返ったようにさやかを肘で激しく突きばした。
「邪魔だ、退け! けい子、頼む! 俺が悪かった! この通りだ!」
信弘はに額を何度も叩きつけ、座の姿勢で私に向かってにじり寄ってきた。
「全部なかったことにしてくれ! もう度やり直そう! 再婚してくれ! 若い子がいいなんて度と言わないから!」
互いを突きばしい、自分だけが助かろうと醜く争いながら縋り付いてくる。 そのあまりに浅ましく見苦しい姿に、私は底からの軽蔑を込めて言い放った。
「あり得ないわ。とも、自分が犯した罪のさをとしてしっかり噛み締めなさい。
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法に支払うべきものをすべて支払ったら、輪際、私とおばあちゃんのに姿を現さないで」
徹に告げた私の言葉に、さやかはすがるような媚びた目遣いを作って擦り寄ってきた。
「お姉ちゃん、ごめんってばぁ! お腹のにいるのは、お姉ちゃんにとってい甥っ子か姪っ子になるんだよ!? 絶対いから、まれたら抱っこさせてあげるからぁ!」
「結構です。誰の子供かも分からない子を、私が抱く筋いはありません。これからをにして働いて、自分で責任を持って育てなさい」
「けい子、お願いします! 何でもするから! 事も全部俺がやるから!」
なおも往際悪く縋り付こうとする信弘とさやか。 その、おばあちゃんの堪忍袋の緒が、完全に爆発した。
「この常識らずの、恥らずどもがぁぁぁッッ!!」
全体が揺れるかのような号が轟いた。 おばあちゃんは杖を振りげ、を指差してを落とした。
「度とけい子さんにそんなを利いてごらん! 獄の果てまで追いかけて、その腐ったを太い針で縫い付けてやるからね! 分かったらさっさと、私のからてきな!!」
鬼神の如きおばあちゃんの迫力に、信弘とさやかは鳴をげてび退いた。 そして、お互いを「脱の邪魔者」