"四枚の余った名札" 第14話
廊のベンチで分
、曜。正午を回った物流センターのオペレーションルームは、張り詰めた静寂に包まれていた。
壁面の巨モニターには、システムへと切り替わった関全域の運ルートが、無数の緑のとなって点滅している。
分、千葉の配送拠点で継データのを示す黄いアラートが度だけ鳴った。だが、私の隣に陣取っていた副課の森が、即座に予備サーバーへトラフィックを逃がし、分で正常稼働へと引き戻した。
「……切り替え、完しました」
森が額の汗をの甲で拭いながら、く息を吐いた。
「全拠点の初期ステータス、オールグリーンです。課」
計の針は、分を指していた。
私はちがり、子の背にかけてあったコートを腕に通した。デスクののスマートフォンには、社内チャットの通が何件か入っていたが、緊急対応をするものはつもない。
「森さん。は頼むわね」
私の言葉に、フロアの何かの主任たちが驚いたように顔をげた。現の誰もが、私がこのまま夜の最終報告まで居座り、すべてのログを自ら点検するものだとい込んでいたのだ。
森は瞬だけ目を瞠り、それからゆっくりと頷いた。
「任せてください。何かあったら、順通りに私が判断します。
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……ってらっしゃい、課」
「ありがとう」
私は自分のロッカーからカバンを取りし、タイムカードを切った。
会社のエントランスをると、の乾いたが頬を打った。りはしなかった。息を切らして駆け込むような真似はしたくなかった。ただ、歩歩の歩幅を確かめるようにして、駅の改札へと向かった。
を乗り継ぎ、結の学に着いたのは、午分だった。
面談始の分。
階の組の教へと続く渡り廊には、のとたい隙が混ざりっていた。
教の引き戸は閉ざされており、からの順番の保護者と先の話し声がく漏れていた。
戸の脇には、使い古された製のベンチがつ置かれていた。私はコートの裾をえ、その真んに腰をろした。
膝のにビジネスバッグを置き、背筋を伸ばしてを向いた。
計を見る必はなかった。私は今、約束されたの、約束された所に座っていた。それだけで、指先のたさがしずつ引いていくような気がした。
分、廊の奥にある女子トイレの扉がき、結がてきた。
濡れた両をハンカチで拭きながら、俯き加減で歩いてくる。その取りはく、まるで処刑台に向かう罪のようだった。
教のに差し掛かった結が、ふと顔をげた。
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いつもなら誰もいないはずの、あるいは見らぬ誰かに頼み込んで座らせていたはずの、あの製のベンチ。
そこに座っている私の姿を捉えた瞬、結のがピタリと止まった。
ハンカチを握りしめた指先が、空で直した。
結の目がきく見かれ、唇が微かに震えた。
驚きでも、びでもない。何ヶもの、必に作りげてきた「どうせ来ない」というの防壁が、音をてて砕け散ったの、無防備な揺だった。
「……来たの」
結の掠れた声が、静かな廊に落ちた。
私はベンチからちがることなく、しだけ首を傾げて、静かに微笑んだ。
「半からでしょう? 分に着いたわ」
結は何も言えずにち尽くしていた。
その、ガラガラと教の引き戸がき、の徒と母親がてきた。入れ替わりに、担任の佐藤教諭が顔を覗かせた。
「あ、さん。どうぞ、お入りください」