"四枚の余った名札" 第12話
課代理への引き継ぎ
「課、今……なんと仰いましたか?」
午、応接スペースのパーテーションの向こうで、副課の森が目を丸くして私を見ていた。代半の、優秀で昇志向のい男だ。私の腕として、今回のハブ移プロジェクトを支えてくれていた。
「の午、私は半休をいただきます」
私は静かに、けれど切の迷いを排した声で言った。
「午からまでの現指揮を、すべてあなたに委ねます」
森の顔からが消えた。彼は類を机に叩きつけるように置いた。
「正気ですか、さん! 当は役員も来ますし、システムエンジニアの統括も張り付くんです。もしデータ連携にが起きたら、現で誰が最終判断をすんですか!」
「あなたがすのよ、森さん」
私はデスク越しに彼を真っ直ぐ見据えた。
「この、あなたは私と同じだけのをこのプロジェクトに注いできた。トラブルの迂回ルートも、サーバーのフェイルオーバーの順も、私以にに入っているはずよ」
「それはそうですが……責任の問題です! もし何かあったら、誰がクビを括るんですか!」
「私よ」
即答だった。
森が息を呑んだ。
「当の理由は『私用』として申請する。現の全権はあなたに委任するけれど、何かな障害が発して損害がた、すべての責任はプロジェクトリーダーである私が負う。
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始末でも、格でも、私が受ける。その旨を記した覚を、部と役員に提します」
森は言葉を失い、私の顔を凝した。
社内でも「鉄の女」「仕事」と恐れられていた美が、世の命運を握る最のプロジェクト当に、私用で現を抜けす。それがどれほど狂気の汰に見えているか、私には痛いほど分かっていた。
「……さん、そこまでしてかなきゃいけない所って、何なんですか」
森がく呟いた。
私はしだけ元を緩め、窓のの夕を見つめた。
「娘の、面談よ」
森は呆気にとられたようにをけた。
「たかが……学の面談ですか? 程くらい、ずらせるでしょう」
「ずらせないのよ」
私はちがり、元のファイルを森のに差しした。過ヶ分のリスク定マニュアルと、緊急連絡網がすべて網羅されたバインダーだ。
「度失った信用を取り戻すチャンスは、向こうが決めたにしかないの。私が都のいいを選んでっても、それはただの自己満なのよ」
森はバインダーを見つめ、それからゆっくりと私の目を見た。
張り詰めた沈黙が流れた、彼はくため息をつき、バインダーを引き寄せた。
「……わかりました。引き受けます。その代わり、当の午までに、定問答のチェックは全部終わらせてくださいよ。
僕だって、舟のにはなりたくありませんから」
「ええ。ありがとう、森さん」
自席に戻った私は、事システムに『休申請・半』を登録した。
備考欄には、こう打ち込んだ。
『私用。代理指揮官:森。発したトラブルの事責任は申請者が負う』
承認ボタンをクリックした瞬、肩からい鎧が枚剥がれ落ちたような、議な軽さをじていた。