"七年の指輪を外す夜" 第22話
私は、彼ので自分をさく折り畳む必がなかった。 言いたいことを言い、自分のでち、同じさの目線で世界を見つめることができた。
ある休の夜、神の実で事をしていた際、業を煮やした母がテーブル越しにを乗りしてきたことがあった。
「……で、あなたたちは、結婚のことはいつになったら具体にめるつもりなの?」
私はんでいた緑茶を気管に入れそうになり、激しくむせ返った。 向かいに座る礼司は、表つ変えずに湯呑みを置き、平然と言い放った。
「咲次第です」
その帰り。 助席に座る私は、赤信号で止まった内で、わず彼に尋ねた。
「……ねえ。もし私が、この先もずっと『結婚なんてしたくない』って言い続けたら、どうするつもりなの?」
礼司は、方のテールランプの列を見つめたまま、即座に答えた。
「しなければいい」 「でも……親たちはずっと、同士の縁談として期待しているじゃない」 「それは親たちの希望であって、俺たちのの契約じゃない」 「……じゃあ、あなた自の気持ちは?」
が青信号で発する。 礼司は、瞬だけ線を助席の私へと向けた。 その瞳には、かつてないほど真っ直ぐで、揺るぎないが宿っていた。
「俺は、咲が好きだよ」
臓が、トクンときくねた。 言葉を失う私に対し、彼はを見据えたまま、淡々と、けれど極めてい言葉を続けた。
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「だが……おのは、俺が好きになったという好の結論を回収するためにしているわけじゃない。おがお自の志で、俺と隣にいたいと決断しない限り、形だけの籍を入れることに何のもない」
は、夜の都を静かにり抜けていく。 私は助席でシートベルトを握りしめたまま、胸の奥底から湧きがる途方もない温もりに包まれていた。
それからというが流れた。 神ホールディングスの私の部署に、ある企業からの型共同投資の打診が正式に持ち込まれた。 案件名は『製造業向け次世代バーティカルSaaSプラットフォームへの共同資』。 起案元の企業名は――株式会社アスターリンク。
相沢琢磨が、自社の再成を賭けて全社を挙げて挑もうとしていた、社運を賭けたプロジェクトだった。
社内では、私と相沢社の過の個な関係をる役員たちから、「利益相反(コンフリクト)を避けるため、神副部はこの案件の審査から完全にすべきではないか」という慎論ががった。 私は、自ら経営企画委員会に申した。
「次審査の採点および投資の否を決定する最終投票からは、完全にれます。ただし、この製造業向けSaaSの構造とリスクについて、グループ内で最も見を持っているのは私です。
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ヒアリングにおける事業性の質疑には、専アナリストとして同席させてください」
私は、神ホールディングスが「過の私怨によってアスターリンクを当に落とした」という余計な噂を業界に残す余を、完全に排除したかったのだ。
最終審査の当。 アスターリンク側のプレゼンターとして会議に入ってきたのは、相沢琢磨、そのだった。 のあの傲で派な雰囲気は完全に削ぎ落とされ、仕ての良いシンプルなスーツを着こなした彼の表には、苦境を乗り越えてきた経営者特のみと落ち着きが備わっていた。
琢磨のプレゼンテーションは、非常に論理で、完成度のいものだった。 希がった、彼が自らので徹底に考え抜き、現の痛みに向きってきたことが伺える素らしい内容だった。
プレゼンが終わり、役員たちの質疑応答が段落したところで、私は元のマイクのスイッチを入れた。
「アスターリンク社へ、点だけ確認させてください」
琢磨が、息を呑んで私を見つめた。
「点目。直半期において、顧客獲得単価(CAC)の昇傾向が止まっていませんが、この規模に対してこのマーケティングコストは過ではありませんか。 点目。国内の基盤がまだ完全に黒字化していない段階で、アジアの拠点を同にちげる計画になっていますが、マネジメントの体制は分に担保されているのでしょうか。