"作文の余白に書かれた秘密" 第13話
教方の線
曜の朝、教の空気はく沈んでいた。
の張り詰めた気が、元からじわじわといがってくる。
いつもなら騒がしいはずの始業分、組の徒たちは誰として席をとうとせず、を向いたまま固まっていた。
教のろには、保護者たちの姿がずらりと並んでいた。
のウールコートやダウンジャケットにを包み、腕を組んだり、胸のでハンドバッグを抱えたりしている。
ひそひそとした私語すらなく、ただ品定めをするようなの線が、徒たちの背に突き刺さっていた。
番ろの列の端に、悠斗の父親の姿があった。
仕てのいいスーツを着て、顎を固く引き、嫌そうに眉に皺を寄せている。
その数席で、悠斗は背筋を丸め、机のに置いた原稿用の角を爪で何度もなぞっていた。
美緒は窓のをぼんやりと見つめていた。
彼女の母親も方にっていたが、美緒は度もろを振り返ろうとしなかった。
私の机のにも、枚の原稿用が置かれていた。
百字詰めのマス目はほとんどが空で、番のに、黒いペンでたっただけが記されていた。
その隣には、私の本名がきくかれている。
指先がたく張り、自分の名がのもののように見えた。
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ガラリ、と方の引き戸がいた。
先が入ってきた。
グレーのパンツスーツに、きっちりと束ねられた髪。
にはバインダーも教科も持たず、ただ本のチョークだけを握りしめていた。
先は教壇につと、教のろの保護者たちに向かって浅く礼した。
そして黒板に向き直り、迷いのない跡できく文字をき殴った。
『誰にも言えなかった』
チョークのが、教卓のにパラパラと落ちた。
先はゆっくりと振り返り、私たちを見渡した。
「本の公授業を始めます」
その声は、静まり返った教の隅々までよく通った。
「課題は、事に告した通りです。森先がこのクラスに残していったシラバスに基づき、各自が用した『番伝えたかったけれど言えなかった言葉』を、ここで読みげてもらいます」
ろの保護者たちが、わずかにざわめいた。
「聞いていない」「国語の授業で何をさせるのか」という困惑の線が交錯する。
だが、先は切じなかった。
「ルールはつだけです。原稿用にかれた自分の言葉を、それを伝えたい相の目を見て、自分の声で話しなさい。誰かの名を借りることも、全な所に隠れることも、この教では認めません」
先は教卓の端に寄り、席簿をいた。
「番、藤くん。
ちなさい」
臓がねがった。
いよいよ、始まってしまった。
もう、誰も森先の赤ペンに守ってもらうことはできない。
私たちは自分の剥きしの言葉だけで、このたい空気に耐えなければならなかった。