みかん小説
本棚

"作文の余白に書かれた秘密" 第12話

最のの条件

「授業……?」

悠斗が掠れた声で繰り返した。

「来週の曜、保護者会の公授業よ」

先は机のの便箋の束をつにまとめ、引きしのに仕い込んだ。

「課題は、森先が最に残したシラバスの通りにめます。『誰にも言えなかった』。原稿用枚に、自分が番伝えたかったけれど言えなかった言葉をき、全員ので朗読しなさい」

「……朗読!?」

私はわず声をげた。

「保護者も、クラスメイトも全員いるでですか? そんなの、言えるわけありません! みんな、隠したいから作文にいてたのに……!」

「誰かのに隠れてくのは、もう終わりよ」

先は教卓のにち、私たちを徹に見ろした。

「森先のを借りて正義を気取るのも、夜のオンラインシステムで匿名で愚痴を吐きすのも、すべて禁止します。条件はつ」

先は指を本ずつてた。

「つ、代は認めない。つ、匿名は認めない。つ、原稿用の最に、必ず自分の本名をきくき、それを読んだ相の目をまっすぐ見て読みげること」

「無茶苦茶だ……!」

悠斗が叫んだ。

「そんなことしたら、クラスがめちゃくちゃになる! 親のでそんなこと言えるわけないだろ!」

「言えないなら、黙っていなさい」

先の声には、微の揺らぎもなかった。

「自分の言葉に責任を持てない子供の戯言に、が付きう義務はありません。

広告

傷つく覚悟もないまま、全な所からの急所を赤ペンで刺すような真似は、私が絶対に許さない」

先はドアノブにをかけた。

「原稿用は、曜に配ります。逃げしてもいいわよ。その代わり、このクラスの担任は度と森先には戻らないし、あなたたちは、誰かの名を騙る卑怯者のままだわ」

カチャリとドアがき、先は振り返ることもなく廊へてった。

残された会議で、私と悠斗はち尽くしていた。

くで、始業を告げるチャイムの音が鳴り響いた。

そのの夜。

付が変わる直、私は暗い部でノートパソコンをいた。

共ドキュメント『森先・対応データベース』。

あんなにに更されていた画面は、完全に静まり返っていた。

悠斗のアカウントも、健太のアカウントも、オフラインのままだった。

画面を見つめていると、にさなピンクのアイコンが灯った。

美緒だった。

彼女は文字を打たなかった。

ただ、自分がいた『族の卓』の作文ページをじっといていた。

そして、数分。

ドキュメントの最段に、震えるようなカーソルがだけ、文字を刻んだ。

美緒:『也。曜の授業が終わったら、アンタがこれ、消して』

私はキーボードに指を置いた。

涙が滲んで、画面の文字がにぼやけた。

私:『うん。私が消す』

美緒のカーソルが、ゆっくりとログアウトしていった。

画面には、私だけが取り残された。

もう、逃げはなかった。

森先という優しい揺り籠は、完全に壊れたのだ。

私たちは来週、親たちの線が突き刺さるあの教で、自分のでち、自分の名で、取り返しのつかない言葉をにしなければならなかった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: