"作文の余白に書かれた秘密" 第3話
だけの共画面
夜の。
自のドアを閉め、机ののノートパソコンをいた。
ブラウザのシークレットウィンドウから、パスワードで保護されたつのオンラインドキュメントにアクセスする。
タイトルは『森先・対応データベース』。
画面のに、つのアイコンが次々と点灯した。
ピンクの丸が美緒。緑が悠斗。青が健太。
そして、のカーソルが私――也だった。
ドキュメントには、膨な量のテキストが並んでいた。
森先が過に使った添削のフレーズ。
徒ひとりの呼び方、文字の癖、句読点の打ち方。
誰の親が婚協議で、誰が部活で孤していて、誰が朝を抜いて登しているか。
すべて、私たちが放課の教や廊の片隅で拾い集めた「クラスの欠片」だった。
画面に、美緒のタイピングがリアルタイムで現れる。
美緒:『、本気配だよ。には全徒のアクセス制限かけるって言ってた』
健太:『千里のやつ、マジでビビってたな。あそこまでく必あったか?』
カーソルが激しく点滅した。
緑のアイコン――悠斗が文字を打ち込む。
悠斗:『事実だろ。あいつ、母親に弁当箱返したのに、ずっと無して張ってた。誰かが背押さなきゃ話さねえよ』
私:『でも、あれは越権為だよ。千里は怯えてる。お母さんまで学に話してきたんだよ?』
悠斗の返信は、数秒のを置いてから表示された。
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悠斗:『森先なら、同じこと言ったはずだ』
胸の奥がたく軋んだ。
最初にこのドキュメントを作ったのは私だった。
週、森先が突然いなくなったあの。
職員の先の机が片付けられ、私たちが提したばかりの作文用が段ボール箱に乱暴に詰め込まれているのを見た。
先はさよならも言わなかった。
から誰が、私たちの言葉の裏側を読んでくれるのか。
誰も何も言わないまま、ただ「平穏な教」を演じ続けることが耐えられなかった。
最初は、ただの慰めだった。
休職初週、提されたオンライン課題のシステムに、徒用の相互レビュー能のテスト用アカウントが残っているのを見つけた。
システム設定の穴を突き、教師用のフォントと赤コードを指定すれば、森先のアカウントに似た表示を作ることができた。
『し疲れているみたいですね。週末は休みましょう』
『部活の記録、伸びていましたね。見ていますよ』
無難な、けれど温かい言葉を、私たちは夜な夜な交代でき込んだ。
ドキュメントに蓄積された「森先の語彙」を組みわせれば、誰も疑わなかった。
登気だった徒が翌登し、喧嘩していた男子がぎこちなく仲直りした。
私たちは正義をっているつもりだった。
森先の代わりに、このクラスを壊さないように支えているのだと本気で信じていた。
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美緒のカーソルがく。
美緒:『……もうやめない? 先が休んでるの、本当は別の理由かもしれないし』
悠斗:『別の理由って何だよ』
美緒:『わからないけど。でも、偽物を作って何になるの。先はここにいないんだよ』
悠斗:『偽物でも、能してただろ』
悠斗の文字には、頑ななりが滲んでいた。
悠斗:『本物が勝に消えたんだから、残された側が埋めるしかないだろ。にこのクラスが任せられるかよ。あいつは教科の度しか見てねえよ』
私はキーボードに指を置いたまま、言葉を見つけられずにいた。
悠斗の言うことも、美緒の怯えも、どちらも痛いほどわかった。
私たちは森先という巨なクッションに寄りかかりすぎていたのだ。
それが急に引き抜かれ、骨が面に打ちつけられる痛みに耐えかねて、藁で編んだ形を神様のように祀りげている。
画面の向こうで、悠斗がしい徒の作文データをドキュメントに貼り付けた。
次のターゲットの名が表示された瞬、私の指先が凍りついた。
私:『悠斗、それ誰の?』
悠斗:『次はこれだ。こいつ、最様子がおかしい。先なら絶対に気づいてる』