"作文の余白に書かれた秘密" 第2話
凍結されたログイン
放課、教に残された空気はく淀んでいた。
千里の母親から学へ連絡が入ったらしい。
「休職の教員が、なぜ徒の庭内の些細な来事をっているのか」
「娘がひどく怯えている。システムのアカウント管理はどうなっているのか」
当然の抗議だった。
職員から戻ってきた代課の先は、普段の静さを装いながらも、眉にい皺を刻んでいた。
教卓のにバインダーを置くと、彼女は徒たちをずつ見渡した。
「確認ですが、森先のオンラインアカウントについて、学から正式に説しておきます」
徒たちの背筋がわずかに伸びた。
「森先のログイン権限は、休職が決定した週の夕方に、完全に凍結されています」
先の声には、迷いがなかった。
「教と報管理担当の教員がち会い、パスワードは破棄され、段階認証も解除されました。現、部から森先のアカウントを使ってシステムにアクセスすることは、技術に能です」
「でも!」
男子徒のが声をげた。
「現に赤ペンでコメントが届いてるじゃないですか。森先の言葉ですよ、あれ」
「それは偽物です」
先は髪を入れずに切り捨てた。
「教育委員会のサーバーログを照会しました。皆さんの作文にコメントをき込んでいる通信は、森先の自宅からではありません」
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先はそこで度言葉を切り、教方の窓を見た。たい夕暮れのが差し込んでいる。
「アクセス元は、この内の複数の端末。それから、放課以はいくつかの異なる携帯キャリアのIPアドレスです。つまり――」
先の線が、再び私たちに向けられた。
「このクラスの誰かが、森先の名と調を真似て、勝に同級の課題にコメントをつけて回っているということです」
教が静まり返った。
誰も息をしなかった。
「悪質な悪戯です。のプライバシーを面半分に覗き見し、休職の教員の名を騙る為は、冗談では済まされません」
先の言葉は正論だった。
ぐうの音もないほど正しい。
けれどその正論は、教に満ちていた「先がいなくなってしまったことへの」を何つ救ってはくれなかった。
「当たりのある徒は、今の完全までに職員に来なさい」
先はそう言い残し、音く教をてった。
残された徒たちので、線が交錯し始めた。
誰もが隣の席のを疑っていた。
誰が千里の庭環境をっていたのか。
誰が森先の調を完璧に再現できるのか。
犯はこのにいる。
その空気が、教の温度を数度げていた。
私は黙ってスクールバッグのファスナーを閉めた。
線を落としたまま教の引き戸をけ、廊へる。
駄箱へ向かう階段の踊りで、悠斗とすれ違った。
彼はポケットに両を突っ込み、壁を見つめながらっていた。
目がったが、彼は何も言わずにわずかに顎をしゃくった。
『ここでは話すな』という図だった。
にると、のたいが頬を刺した。
スマートフォンのバイブレーションが、コートのポケットのでく震えた。
画面をくと、鍵付きのメッセージグループに通が件入っていた。
美緒からだった。
『職員、が教と話してる。システムを完全に止めるつもりかも』
私はち止まり、震える指先で返信を打った。
『今夜、に共いて』
送信ボタンを押すと、画面の向こうで既読がつついた。