"廃墟旅館の双子と初恋の再会" 第16話
「全面に首謀者だった俺のせいなんだけどさ、なぜか俺だけ捕まって、末始の初詣の境内清掃をタダ働きさせられたんだよな……」
学の頃に戻ったかのように、俺たちは笑い、ふざけい、もないい話を咲かせた。 その夜に投稿したあの枚の写真が、やがて町全体を揺るがす巨な奇跡を巻き起こすことになるなど、このの俺たちはにもっていなかった。
異変が起きたのは、それからの朝だった。
「……え、絵里ちゃん……! 変だ、ちょっとこれ見てくれ!!」
自のパソコンので、俺は叫び声をげた。 画面をいた絵里が、息を呑んで絶句する。
俺のSNSアカウントの通欄が、完全にパンクしていたのだ。 あの夜、何気なく投稿した『湯けむりとと古い灯』の写真に、信じられないことに数万件の『いいね』とリツイートがつき、世界に拡散されていたのだ。
『This is a real Japanese fantasy.(これこそ本物の本のファンタジーだ)』 『まるでアニメの世界のような美しさだ』 の旅系インフルエンサーがその写真をシェアしたことを皮切りに、のネットユーザーので「誰もらない本の秘境温泉」として爆発な話題を呼んだのだ。 そこから、アカウントに載せていたリフォームの奮闘画にも気にがつき、再回数は数万、数百万回へとねがっていった。
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奇跡は、ネットのだけに留まらなかった。 数週もしないうちに、型のスーツケースを引いた国観客のグループが、廃線寸のローカル列に乗って、この寂れた温泉へとポツポツと姿を現し始めたのだ。 彼らがSNSでさらにリアルタイムの写真を拡散したことで、今度は「あのの温泉がすごい」と国内の若者や写真好たちのでも話題が沸騰し、テレビの報番組までが取材に訪れる事態へと発展した。
町の観課もこの好を逃さず、放置されていた灯の改修予算を気に倒しし、川沿いの古い灯を、写真映えのするレトロな『ガス灯デザイン』の照へとしてくれた。 夜になると、温かなオレンジのが湯けむりを照らし、浴姿の観客たちがので笑顔で記写真を撮りう――かつての活気ある温泉の景が、奇跡のようなスピードで蘇っていったのだ。
「……絵里ちゃんがあの夜、俺を散歩に連れしてくれたおかげだよ。本当に、ありがとうな」
温泉のプレオープンを目に控えたある夜。 実の両親から「あんたたちで、たまにはパーッと打ちげでもしておいで」と背を押され、子どもたちを寝かしつけた、俺と絵里はしくできた温泉のレトロなバーへと向かって歩いていた。
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川沿いのガス灯のをき交う勢の観客たちのを縫いながら歩くうち、俺の胸のは、酒をむからよい揚で満たされていた。
「……絵里ちゃん」 の真んでち止まり、俺は川面のを見つめながら、を決してをいた。
「俺さ……昔、絵里ちゃんのこと、ずっと好きだったんだよね」
絵里はを止め、し驚いたように目を瞬かせた。 だが、すぐに柔らかな微笑みを浮かべ、穏やかな声で答えた。
「……うん。実はね、私もだよ」
その軽やかで、あっさりとした返答に、俺はし拍子抜けした。 絵里のでは、それはもう完全に通り過ぎた、美しいのの『過形』なのだと分かった。 だが――度溢れしたいを、俺はもう止めることができなかった。
「……なんだ、俺たち、両いだったんだな」 俺は苦笑いを浮かべ、絵里の目を真っ直ぐに見つめた。 「絵里ちゃんが町をてったあの、き先も連絡先も分からなくてさ……しくて、悔しくてたまらなかった。絵里ちゃんを傷つけて追いしたこの町が嫌で嫌で、俺も京へびしたんだ。……絵里ちゃんは何も悪くない。ただ、それくらい好きだったんだ。そして――」
俺はく息を吸い込み、たい夜ので、からのプロポーズをにした。
「今も、好きだってことをってほしかったんだ。……俺たち、もう度、本物の族になれないかな」
静寂が、のを支配した。 川のせせらぎの音だけが、に届く。 絵里の表から笑みが消え、彼女はく、く息を吸い込んだ。