"元義母の仕送り要求と元夫の嘘泣き目薬" 第2話
交際をねるで、私たちはお互いのライフスタイルを尊しうという点において、驚くほど価値観が致していることを確認しった。
「お互いに自したとして、庭に縛られすぎず、個のや仕事も切にしていこう」
その共通のいを胸に、私たちは会いかららずで婚姻届を提した。お互いに収入があり、お互いの領域を侵さない、スマートで洗練されたの夫婦関係。これ以ない最のパートナーを見つけられたのだと、私はから幸福を噛みしめていた。
しかし――そんな穏やかな婚活に、突如として暗いが差し始める。
結婚してもなく、憲吾の実父である義父が、い病に倒れて急逝してしまったのだ。あまりにも突然の別れだった。
そして、義父のは、それまで見えていなかった庭内の刻な歪みを気に表面化させることとなった。
にわたって専業主婦として庭を守り、夫の収入に完全に依してきてきた義母のかず子さんが、経済に完全に困窮してしまったのである。
あるの夜、夕を終えてリビングでくつろいでいた、憲吾が神妙な面持ちで私のに座り直した。元のコーヒーカップを握りしめ、眉をひそめながら絞りすようにをいた。
「ゆかり、母さんのことなんだけど……。
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親父が遺した蓄えもほとんど底をついていて、今の活をどうすればいいか途方に暮れているらしいんだ」
「そうなの……? それは本当に配ね」
私がを乗りして答えると、憲吾は伏し目がちに、すがるような線を私に向けてきた。
「それで、相談なんだけど……俺たちの収入から、毎いくらか仕送りをしてあげるというのは駄目だろうか? もちろん、無理のない範囲でいいんだ」
族が困っているのなら、を取りって助けうのは当然のことだ。当の私は、する夫の母親を支えることに何の疑問も抱かなかった。
「ええ、もちろんよ。困ったときはお互い様じゃない。できる限りのことはしましょう」
夫の提案を拒む理由など、私にはどこにもなかった。
私たちはその夜、活費や貯蓄の計画を照らしわせながら話しい、毎万円をかず子さんの座へ仕送りすることを決定した。私の収入が定していたからこそ能な額設定だった。
このの私は、自らの善で差ししたその支援が、やがて自らの首を絞める底なしの罠になるとは、ほども像していなかったのである。
結婚活が目に突入した頃、夫婦の歯は目に見えて狂い始めていた。
私は毎万円の仕送りを滞りなく続けながらも、本業である業務に邁していた。
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顧客との融資案件をて続けに成功させ、社内での評価は鰻登り。順調にキャリアの階段を駆けがっていた。
その方で、堅メーカーの経理部に勤めていた憲吾の状況は、決して芳しいものではなかった。
彼の会社の業績は期な迷期に入り、ボーナスはカットされ、昇も見込めない状態が続いていた。帰宅するなり、ダイニングテーブルに鞄を乱暴に放りし、「今も司が理尽だった」「景気が悪いせいで料が全然がらない」と愚痴をこぼす夜が増えていった。
いつからだっただろうか。
かつて私の仕事を誰よりも温かく応援してくれていたはずの彼が、私に対して棘のある言葉を投げつけるようになったのは。
数ヶに及ぶ型コンソーシアムの組成プロジェクトを無事にまとめげ、夜くまで続いた残業で疲れ果てて帰宅した夜のことだった。玄関の鍵をけ、い取りでリビングへを踏み入れると、憲吾はソファーに寝転がったまま、テレビのバラエティ番組に目を向けていた。
「……ただいま、憲吾さん」
コートを脱ぎながら声をかけた私に対し、彼はテレビから線をすことすらなく、を鳴らすように呟いた。
「お疲れ様。で、今の残業当は体いくらになったんだ?」
その声には、遅くまで働いた妻を労う気遣いなど微も含まれていなかった。
あるのは、自分よりも稼ぎ、組織で宝されている妻に対する、剥きしの嫉妬と卑屈な皮肉だけだった。