"妻の避妊薬" 第15話
しかし、驚くべきことに、子供たちは母親があけみが夜遅くまで仕事でいないことや、隠し事をしていることを、僕に対して切告げしようとはしなかった。それは、子供たちがあけみとので交わした「パパには内緒ね」という約束を、必に守り抜いていたからだった。
僕が実から単赴任先へと戻る、子供たちは以よりもらかに寂しがり、特に直はもう歳にもなる男の子だったにもかかわらず、幹線のホームで粒の涙を流しながら号泣して僕の姿を見送ってくれたものだった。
正直に言って、当の僕はその子供たちの異様なまでの過剰な反応に、どこか違を覚えてはいた。しかし、「父親がれて暮らしているから寂しくて、もっと自分に甘えたい頃なんだろう」と勝に都よく解釈し、く追求しなかった。今振り返れば、あののさな違を無して見過ごしてしまったことこそが、すべての失敗の元凶だったのだ。
それに、あけみとあの倫相の男の関係は、第者の目から見れば、ある種完璧に偽装されたものに見えた。
相の商社マンは同じ内にんでおり、当は妻とは別居というだった。あけみたちは、内の洒落た級レストランで優雅なデートをゆくまで楽しみ、そのあとは決まってその男が所するのタワーマンションの部に入り浸っていた。
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これなら、自宅で留守番をしているはずの子供たちに密会の現を目撃されるリスクもないし、僕自は普段から質素倹約で、あけみが浮気を疑われることもなかったのだ。
その倫男は、張のたびに現の珍しいアンティーク品や骨董品を収集するマニアックな趣を持っており、あけみに対して次々と価な装飾品や製の宝をプレゼントとして貢いでいた。あけみは、その男から送られてきたアンティーク品や価なジュエリー類を、子供たちの鋭い目に決して届かないよう、僕たち夫婦の寝の奥くにある隠し所にこっそりと保管していた。
もともと両親が裕福で育ちが良かったあけみは、若い頃から珍しい骨董品やアンティークの装飾品にい関を持っていたため、その男からの豪勢なプレゼント攻撃によって、見事にを鷲掴みにされてしまったようだった。
あけみは、僕が単赴任でを期空けている、その男との倫関係を子供たちにも徹底に隠し通した。僕は事も育児もすべてを女の歩みに半ば任せきりにし、父親としての役割を分に果たせていなかった。
しかしある、僕にいがけない転が訪れた。仕事の都で急遽、京の本社に戻る用事ができたのだ。予定よりもく用事が片づき、ちょうど途半端にが空いたため、僕はサプライズのつもりであけみに帰宅する旨の連絡を入れた。
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「あけみ、急に本社にく用事ができて、もうすぐ片付くから、今からにちょっと寄るよ」
その話を受けたあけみは、青ざめたに違いない。頃から寝の隠し所にしまっていた男からの価なアンティーク品やプレゼントの数々を、急いで別の全な所へと隠し所を変える必に迫られたのだ。パニックに陥ったあけみは、静な判断力を失ったまま、慌ててその部をよりによって子供たちの部のクローゼットの奥へと適当に隠してしまったようだった。
それが、自分たちの庭のすべてを崩壊させる運命の分かれになるともらずに……。
僕が突然帰宅したことで、あけみは完全にパニックを起こし、子供たちの部に証拠品を投げ込むように隠したが、その隠し方があまりにも雑でずさんだったため、から部に入ってきた歩みが、偶然にもそれらの審な品々を発見してしまったのだ。
こうして、女の歩みは、最の母親が隠し続けていた許されざる秘密のすべてを、自分の目でることになってしまったのだった。
しかも、よりによってあけみが子供部に慌てて隠した物のには、見らぬ男とあけみが親密に寄り添いって写っている「半裸のツーショット写真」