"妻の避妊薬" 第12話
あいつらと婚したのはちょうどのことだ。で最も精神に定な期に、両親の婚というきな傷を子供たちに負わせてしまったことに対しては、今でも申し訳ないという気持ちで胸が締め付けられるいがしていた。
それでも、僕たち親子柄は、あの辛く沼のような過の苦しみをようやく乗り越え、かつての穏やかで楽しい常の活を取り戻しつつあった。
ある曜の昼がり、僕は自のデスクで静かに本を読んで読に浸っていた。
窓をそっとけると、初の爽やかなが部のをよく吹き抜け、しだけきっぱなしになっているドアの隙からは、リビングで仲良くゲームをして盛りがっている子供たちの楽しげな笑い声が聞こえてくる。
「なんて幸せで、穏やかな常なんだろう……。やっと、僕たちはこの温かい庭の雰囲気を本当ので取り戻すことができたんだな」
そんな慨に浸りながらページをめくっていると、突然、ポケットに入れていたスマートフォンが激しく鳴り響いた。
画面を見ると、着信の表示名には、度と関わるはずのなかった元妻・あけみの名が表示されていた。僕は眉にしわを寄せ、うんざりしながら話にた。
「……もしもし?」
『ふろし……っ! 本当にごめんなさい、お願い、しだけ話を聞いて……っ!』
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話の向こうから聞こえてきたあけみの声は、かつての気さや気な面は切なく、ひどく掠れて震えていた。
「何なんだよ、いきなり……。もう度と俺のところにも、子供たちのところにもかけてくるなって言ったはずだろ」
僕は淡に言い放つ。
『うん……それは分かってるの。でも、に度だけ、本当にお願いだから……度だけでいいから、子供たちに会わせてほしいの……!』
「いやいや、何を言ってるんだよ。婚する、子供たちとは今切会わないって、おも納得したで誓約にサインしたはずだろ? 今更何言ってんだよ」
『お願い……! 私、今、病院に入院してるの……お医者さんから余命宣告を受けて……もうあとだってきられないの……!』
あけみは話の向こうでむせび泣くようにそう叫んだ。
最初は、どうせ子供たちと面会するための同を引くための見え透いた嘘だろうとった。しかし、その言葉の端々に滲むあまりの々しさと、これまでに聞いたことのない真に迫ったあけみの必な声は、それが嘘偽りのない事実であることを信じさせるには分すぎるほどのみを持っていた。
「でも、婚の条件に『子供たちとは今切会わない』という約束をに提案したのは、でもない女の歩み自なんだぞ……俺のでどうこうできる問題じゃないんだよ」
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僕は話のあけみに対してそう告げた。
「俺がどうこう言うよりも、当の本である子供たちが番におとの面会を嫌がるはずだ」
そうあけみにハッキリと告げたその瞬、背からにたい声がんできた。
「……パパ、体誰と話しているの? もしかして……あの女?」
振り返ると、そこには女の歩みがっていた。彼女は、僕が話の相があけみであることに気づき、鋭いをらせながら音もなく僕の部に入ってきたのだ。
「ねえ、そのスマホ、ちょっと私に代わってよ」
歩みは徹な線を向けたまま、拒絶する暇も与えず、僕のから半ば引にスマートフォンをひったくった。
「もしもし。何よ。……いきなり連絡してきて、速約束を破るつもりわけ?」
歩みは番、話の向こうのあけみに対して鋭く言い放った。
『あゆみ……ごめんね。でも、どうしてもお母さんは、最にあなたたちに会いたいの……!』
「はあ? お母さんって誰のことよ? 今更そんな馴れ馴れしい言葉をにして何が言いたいのからないけど、度とパパにくだらない話とかかけてこないでよ!」
そう吐き捨てるやいなや、歩みはそのまま通話の赤いボタンを押して話を切ろうとした。
『待って、あゆみ……! お願い、話を切らないで、言だけ言わせて……! 私、病気でもうあとだってきられないの……お医者さんから余命宣告されたってことなのよ……!』