みかん小説
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"妻の避妊薬" 第11話

さすがはプロのライターや作のプロだけあって、あえて細かい個報はさず、読者の好奇を最潮に煽るようなまかな概しか提示しない。しかし、現代のネットに息する「ネット民」と呼ばれる々が、こういうスキャンダラスでな文言にいかにく惹きつけられ、びつくかを僕はよくっていた。

ざっくりとした倫劇のストーリー、そして「普通の会社員や公務員に潜む裏の顔」という烈なキャッチコピー。このつの素を繋ぎわせ、自分たちので真相を徹底に掘りげてキレイに特定したがるのが、ネット民たちの態だった。

僕はただ、彼らの底れない好奇を煽るための「餌」をほんの面に投げ入れただけだ。あとは、彼らが勝に面がって、とことんまで調べてくれればいい。

現代のネット民たちの執とリサーチ力は、に恐ろしいほどの破壊な威力を持っている。

『この記事にかれているモデルの男は、いったい現実の誰なのだろう?』『そいつは今、どのの何の仕事をしているなんだ?』『どこの学を卒業して、族構成はどうなっている? 両親は健なのか?』

彼らはまるで獲物を狙うハイエナのように、恐ろしいほどの執とスピードで必に個報をネットで特定しげていく。

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僕はただ静かに見ているだけで、には何もしていない。それでも結局、ネット民たちの持つその恐ろしい破壊力によって、なみの倫相だったあの公務員の男は、勤務先の役所にもいられなくなり、最終に自主退職せざるを得ない追い詰められた状況に陥ることになったのだった。

の同僚たちからのたい線や、ネットで特定されて職や自宅にかかってきた執拗な苦話のせいで、男の職での居所は完全に奪われていた。度世に実名や素性がさらされてしまえば、この報化社会で元の平穏な活に戻ることは極めて難しい。

会社を退職せざるを得なくなった倫相の男は、当然のように激した自の妻からも半を突きつけられ、婚届にハンコを押されたという。実元にも自分の祥事がすっかりれ渡ってしまったため、故郷に顔を向けることもできず、そのままどこへ消えたのからずの逃活を送ることになったらしい。

まあ、あんな男のそのの末など、僕にとってはもうどうでもいいことだった。

ちなみに、元妻であるなみが現どこでどうしているのかについても、僕はらなかった。今のところ、弁護士との取り決め通りに毎の慰謝料が指定の座にきちんと分割で振り込まれているから、それ以る必もなかった。

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今のなみがどこでどんなみじめな暮らしを送っていようと、自分でも驚くほど切の興が湧かなかったのだ。

僕は、あのから毎振り込まれてくる慰謝料の切に、個な私欲でをつけたことは度もなかった。自分の贅沢品を買う気にはどうしてもなれず、受け取ったおはすべて、将来成していく子供たちの学資活費のためにそのまま綺麗に貯し続けていた。

『いつか、会社にしがみつかなくてもいい、自分のフリーとしてのを叶えるための資にするんだ』

そう向きに考えれば、あの最から受け取った慰謝料も、ある種の皮肉な「初期投資」のようなものだとえる。そうえば、あいつらに対して逆にちょっとだけ謝の気持ちすら湧いてくるから議なものだった。

――「えっ、元嫁が? 嘘だろ……自業自得だろ、あんな世らずのバカ女は」

そんなに、かつての悪の奥底にしまい込んでいたあるのこと。先婚したはずの元妻から、突然スマートフォンの画面に吉な着信が入ってきたのだった。

気がつけば、僕はすでに歳になっていた。世般で言うところの「シングルファーザー」というだ。

僕たちのにはの子供がいる。女の歩みは歳で男の直は歳で性にそれぞれ成していた。

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