"妻の避妊薬" 第6話
「ま、待って、待ってよ……!」
なみは涙を浮かべながら、僕の両腕にしがみつこうとしてきた。僕はたい目で彼女のを振り払う。
「何が変わるんだよ? おがも隠れて浮気していたという事実が、それでなかったことにでもなるとでも言うのか?」
「違うの……! あのもしつこくて、本当にうるさくて……」
言い訳を続けるなみを遮るように、僕は声でした。
「言い訳はいい! 浮気をしてたのか、してなかったのか、おのからはっきりと言え!」
「……して、いました」
ついに、なみはボロボロと涙をこぼしながら自分ので倫の事実を状した。
「相の男は、役所に勤める既婚者だそうだな。奥さん持ちのでありながらの女と倫するなんて、ダブル倫とはいいご分だな、やるじゃねえか」
「ほんと、最初はただのの気の迷いで……」
「の気の迷いだと? も続いておいて、それがの迷いか。そりゃご苦労なこったな!」
「そんなたい言い方しなくても……」
「じゃあ、おならどんな言い方をしてほしいんだ? もっとずるずる続けるための迷うが欲しかったとでも言うのかよ?」
「違うの! 別れようとは、ちゃんと考えてたのよ……!」
「はあ? も付きってきて、今更何が別れようとしてただ」
「本当よ……! でも、向こうがなかなか別れてくれなくって……」
自分の犯したな罪のさから逃れようと、責任を相の男になすりつけ、しでも自分の印象を良くしようとあがき続けるなみの姿を見て、僕はりを通り越して無性に腹がち、胸がむかついた。
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僕はめ切った目でなみを凝し、鋭く問い詰めた。
「おい、さっきなんであんなに病院にくのを嫌がったんだ?」
「それはさっき話したじゃない……自然に任せたいって……」
「嘘をつけ! 違うだろ。お、ピル(避妊薬)を毎んでるじゃないか!」
僕はバッグの奥から隠し持っていたピルのシートを取りすと、なみの元へと激しく投げつけた。
「こんなの、もう夫婦なんかじゃないよな」
「待って……! お願い、私の話を聞いて!」
「聞いてるよ! で、そのでどう言い訳するんだ?」
「まだ……その、子供を授かる期じゃないとって……」
「子供ができたら、自分の自由な浮気ができなくなるから困るんだろ! その違いだろが! いい加減にしろ!」
僕の号がリビングの井に響き渡った。
なみはそれ以何も言い返すことができなくなり、ただうなだれて震えるばかりだった。すべてが完全にバレてしまったのだと、ようやくで理解できたようだった。
「婚だ。おみたいな最な女と、この先たりとも同じ根ので暮らすなんてありえないからな」
「お願い、待って……! 今すぐ別れるなんて言わないで……!」
「このに及んで、まだそんなセリフがからるのか。おみたいなを、俺はこの世で番軽蔑し、そして番嫌いなんだよ!」
「そんな……嫌……!」
「今すぐここからていけ!」
こうして、僕は泣き叫ぶなみの荷物をそので無理やりまとめげ、無を言わせずにから追いした。
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その翌には、の鍵のシリンダーごとしいものへとすぐに取り替えたのだった。
あんな女の顔など、度と見たくもなかった。
くあてのないなみは、きっと実へ逃げ帰ったに違いない。しかし、実からでも会社へ通うことはできるはずだ。あいつが両親にどんな嘘の言い訳をして、僕を悪者に仕てげているか分からない。向こうの両親から聞いておくべきことがあるし、らぬに僕が加害者から悪にすり替えられているような事態だけは絶対に避けたかった。
僕は会社に平の休みをもらい、なみの実へと直接を運ぶことにした。
「ひろしさん……」
インターホンを鳴らし、玄関のドアをけたなみの母親は、僕の顔を見るなり絶句し、言葉に詰まったような表を浮かべた。
リビングに通され、僕はソファに向きって座った。
「なみから……通りの事は聞きました。本当に、うちの娘がすみませんでした……!」
なみの母親は、僕の目ので座ったまま、にがつきそうなほどの勢いで々とをげた。
「あの子も……の気の迷いだったって言っているんです。でも、浮気をしてしまったことに違いはないし、ひろしさんがこうしてるのも、本当に仕方がないことだと言っていました……」