"3回洗う夫と6年潜伏の財閥令嬢" 第24話
堰を切ったように、い粒の涙が溢れした。
「うわあああ!リナぁぁ……!」
子供のように声をげて泣きじゃくる私の背を、ゆかりが優しく抱きしめてくれた。
「リナさん、私に言ったの」
ゆかりは涙声で囁く。
「『美咲は絶対に無茶をするから、全てが完全に終わって全になってからこれを渡して』って。彼女、最まであなたのことを番に守ろうとしていたのよ」
「リナ……ごめんね。私遅くなっちゃって……痛かったよね、怖かったよね……」
嗚咽が止まらない。
そんな私ののに、きく温かいがそっと乗せられた。
「よく頑張ったな、美咲」
顔をげると、鳥会、父が赤く腫れた目で私を優しく見つめろしていた。
「おのそのさと覚悟がリナさんの無をらし、さらにはくの詐欺被害者たちを救ったのだ。リナさんもきっと、国でおを誇りにっているはずだよ」
父のく温かい言葉に、私は何度も何度も頷きながら、リナの残してくれた記帳をく抱きしめた。
6止まっていた私のが、ようやく再びき始めた瞬だった。
それから半の。
「美咲お嬢様、そろそろおです。役員会議が始まりますよ」
「ええ、分かっているわ。田、をしてちょうだい」
私は仕ての良い純のスーツにを包んでいた。
鳥グループ本社ビルの最階から、青く澄み渡る京の空を見ろしている。
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健と静は、現連続殺と規模詐欺の罪で起訴されている。
のを見ることはないほどの罪が確定しようとしているのだ。
あの狂気に満ちたも、すでに完全に取り壊され更となった。
私は今、鳥グループの副社として父の腕となり、経営の第線にっている。
リナが記にき残してくれた通り、私はもう逃げることをやめた。
自分に与えられた権力と財産を、かつての私やリナのように孤独でいにいる々を救うための支援財団の設に注ぎ込んでいる。
「そうだ、田。会議のに、し寄りをしてもいいかしら?」
「承いたしました。あちらに向かうんですね」
田は静かに微笑み、私を社用の部座席へと案内した。
向かったのは、が見渡せる、当たりの良い美しい丘のにある霊園だった。
そこには、鳥グループの力でしく建て直された、リナの派なお墓がある。
私はリナが番好きだった黄いひまわりの束を墓にそっと向け、静かにをわせた。
リナ、私もう隠れないよ。
あなたの分まで、胸を張ってを向いてきていくからね。
目を閉じると、あのアパートで美咲!と屈託なく笑うリナの声が聞こえたような気がした。
ふと目をけると、の方からの温かくよいが吹き抜けた。
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ひまわりの黄いびらが優しく揺れた。
まるで彼女が『頑張れ』と背を押してくれているように。
私はきく呼吸をし、真っ青な空を見げた。
頬を撫でるはどこまでも澄み切っていて、これからの私のを祝福しているかのように温かかった。
リナが残してくれた褪せた記帳を胸に抱きしめ、声が枯れるまで泣き続けたあのから。
季節は巡り、半というが流れた。
京方裁判所の最もきな法廷。
私は傍聴席の最列に座っていた。
錠と腰縄をつけられた2の罪が、刑務官に引きずられるようにして法廷へと入ってくるのを静かに見ろしている。
健と、その母親である静だった。
2の姿は、かつて私を底辺のゴミと見していた完璧なエリートの面など微もないほど、無惨に変わり果てていた。
健の髪は髪混じりのボサボサに伸び切っている。
頬はげっそりとこけ、焦点の定まらないうつろな目でブツブツとうわごとを繰り返している。
静もまた、かつてにつけていた級ブランドのではなく、ヨレヨレののスウェットを着せられていた。
背を丸めて刻みに震えている。
「主文。被告両名を、無期懲役に処する」
裁判のから、厳粛で極めてい判決がされた。
連続殺の実犯である健はもちろんのこと。
詐欺グループの首魁であり、全ての犯罪の黒幕であった静にも、極刑に等しい判決が言い渡されたのだ。