"3回洗う夫と6年潜伏の財閥令嬢" 第17話
「嘘だ……」
健は首を振る。
「じゃああの呂で溶かしたの4の体は、体誰だったって言うんだ!」
絶望に叫ぶ健に田は歩づいた。
元で獄の底から響くような声で囁いた。
「本当に気づかなかったのか?健。おが溶かしていたあの4の体」
田はく笑う。
「あれはな、おの母親が裏で運営していた詐欺グループの幹部たちだよ」
田のから放たれたその言葉に、玄関の空気が瞬にして凍りついた。
「……あ?」
健は目を丸くし、抜けな声を漏らした。
錠をかけられ、警官に押さえつけられていた母親の静も、信じられないものを見るように息子を振り返った。
「ど、どういうことだ?」
健はパニックに陥る。
「俺が処理したのは、政財界のVIPたちから『邪魔になった裏切り者を消してくれ』って頼まれたなターゲットのはず……」
「だから、そのVIPからの依頼自体が俺が仕掛けた罠だったと言っているんだ」
田はれな虫ケラを見ろすような目で、酷に真実を突きつけた。
「おの母親は、にわたって齢者からを騙し取る規模な詐欺グループを裏で牛っていた。俺たち鳥グループの調査部は、その尻尾をずっと追っていたんだよ」
田は鏡を押しげる。
「だから俺は、おのパソコンにハッキングしてVIPを装って、詐欺グループの幹部たちのリストと居所を送り付けたな」
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「なんだと……?」
「権力者からの極秘依頼だと信じ込んだおは、びで彼らを拉致し、おの得な『消毒』で跡形もなく始末してくれた」
田は笑い声を抑えるように言う。
「おはプロの掃除気取りだったようだが、実際は自分の母親の切な駒たちを、自分自ので1ずつプチプチと潰していただけなんだよ」
その瞬、静が狂ったように切り声をげた。
「あぁぁぁ!嘘でしょう!?」
彼女は健を睨みつける。
「じゃあ消えた幹部の田も佐藤も、を持って逃げたわけじゃなくて、あんたが殺して溶かしたっていうの!?」
「か、母さん違う!俺はVIPの依頼だとばかり……」
「この馬鹿息子!」
静は顔を真っ赤にしていつくばる健に向かって唾を吐きかけた。
「あんたが私の組織を壊滅させていたの!?私がどれだけ苦労してあのビジネスを築きげたとってるのよ!」
静は狂乱して叫ぶ。
「あんたみたいな能無し、産むんじゃなかった!ただの猟奇な殺しのくせに、エリート気取りで私の邪魔ばかりして!」
「ふざけるな!俺をこんなに育てたのは母さんだろう!」
健も負けじと鳴り返す。
「リナを殺させたのも、全部母さんのせいじゃないか!」
つい先ほどまで完璧なエリートを演じていた母と息子の、あまりにも醜い責任のなすり付けい。
嘘と虚栄だけで塗り固められた彼らの関係は、真実というを当てられた瞬、ドロドロに溶けし無惨に崩壊していった。
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健は完全に錯乱していた。
自分がした女とはが子を殺し。
自分がVIPだとい込んでいた相の正体は、母親の部たち。
そしてすがりつくはずだった権力者など最初からせず、自分はただ警察と鳥グループののひらで踊らされていただけ。
彼が6異常なまでの呂掃除をしてまで守り抜こうとした、エリート営業マンという完璧なは。
もはや砂の楼閣どころか、初めからすらしていなかったのだ。
「ああ……俺は……俺は悪くない。俺は完璧なんだ」
焦点の定まらない目でブツブツとうわごとを繰り返していた健。
彼はふと、その濁り切った凶悪な線を私へと向けた。
残された最のプライドを振り絞るように、をいずりながら私に向かってを剥いたのだ。
「おだ、美咲!全部おが悪いんだ!」
健は血った目をひん剥き、獣のような唸り声をげた。
「おみたいな卒の底辺で親も貧乏なゴミ女が俺のに現れたから、歯が狂ったんだ!」
彼はを叩く。
「事つまともにできない、俺の稼ぎに寄するしか能のない無能女のくせに!」
健は涙と涎を流しながら叫ぶ。
「おがもっと俺を尊敬して完璧な妻として俺を癒していれば、俺はこんな罠にはまることもなかった!」
狂気と絶望に支配された、理尽極まりない侮辱の言葉。