"盗撮で脅した夫と1億円超の301号室" 第11話
の部のい井の向こうで、私のすすり泣きを聞いていたのだ。
たけしさんがさらに歩づくと、夫がソファの隅へジリジリとずさりした。
「旦扱いされたいなら、まず夫としての役目を果たすべきだったな」
夫は揺を隠しきれず、声を裏返した。
「こ、こいつ。言いたい放題だな」
夫はポケットから携帯話を取りした。
「警察に通報するぞ。お、刑務所に入りたいのか?」
夫は警察に通報すると言って、ボタンを押すふりをした。
その言葉を聞いた瞬、ゾッとした。
私はともかく、たけしさんはまだ若いなのに、私のせいで科者にするわけにはいかなかった。
私は泣きながら、必に止めようとした。
「あなた、やめて。私が悪かったわ。警察は呼ばないで」
私がへようとすると、たけしさんが私の腕を掴んで首を横に振った。
「謝らないでください。かずみさん、何も悪いことはしていません」
たけしさんは夫に向かって、堂々と言い放った。
「通報してくださいよ。おじさん、警察を呼べって言ってるんだ」
夫が戸惑ってち止まった。
普通ならこんな、座して謝るのが当然なのに、あまりにも堂々とてくるので呆気に取られたようだ。
たけしさんがゆっくりとに落ちた自分のシャツを拾い、着ながら言った。
「おじさん、警察が来たらどっちが利になるといますか?」
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彼は夫の目を真っ直ぐに見据えた。
「おじさん、さっき刃物を持って暴れましたよね。特殊脅迫罪に特殊暴未遂まで」
彼はややかに言葉を継いだ。
「それで済まなかったら、懲役刑なのはってますか?」
夫はたじろいだ。
「何?」
たけしさんはさらに追い打ちをかけた。
「それから、僕が1んで見ていたのですが、このアパートのに違法増築した倉庫がありますよね」
たけしさんは確信に満ちた声で言った。
「役所に通報が入ったら、撤費用と違法建築の過料だけで数千万円はかかるはずだけど」
彼は敵な笑みを浮かべた。
「警察が来たら、まずそこから調べてみましょうか」
夫の顔がになった。
アパートの最階の倉庫は、夫が賃をしでもく得ようと違法に改造したもので、役所の監査が来るのではないかといつもビクビクしていた部分だった。
たけしさんがそれをっているとは、ってもみなかったのだ。
夫は毒蛇のような目つきで睨みつけながらも、唇をブルブルと震わせ、何も言えなかった。
法律だの何だのということは、夫よりも若いたけしさんの方がはるかに詳しくっていたのだ。
その、凶器を持って暴れたというなみまで握られているので、警察を呼ぶのは自らの墓穴を掘るようなものだった。
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夫はゼェゼェと息を切り、やがて目を細めて私を見つめた。
その差しが変わった。
りから、非常に卑劣で汚い貪欲へと。
彼は計算を始めたのだ。
夫は息を荒くし、ふてぶてしく言った。
「いいだろう。警察は呼ばないでおいてやる。だがかずみ、お、これで済むとうなよ」
彼は酷に言い放った。
「婚だ。慰謝料は銭もやらんからな」
夫はさらに条件を突きつけた。
「そしてこのの名義を俺に移せ。さもないと、所に言いふらして、おたちの写真を撮ってインターネットにばらまいてやるからな」
夫の本がた。
彼は私をしていて裏切られたからったのではなかった。
私の名義になっているこの古いアパート、それを奪う実ができて、むしろのでは哉を叫んでいるようだった。
その、たけしさんが私の肩を抱きながら、夫に向かってたく言った。
「婚、いいですね」
彼は夫を見し、きっぱりと言った。
「ただし、このからてくべきなのはおじさんの方ですよ」
夫は顔を引きつらせ、反論した。
「こ、こいつ狂ったか。浮気したのはおたちなのに、どうして俺がていくんだ」
たけしさんは歩も引かなかった。
「選んでください。今すぐ静かに荷物をまとめてていくか」
彼の声はく、脅しを含んでいた。
「それとも、僕と最まで争って特殊脅迫で刑務所にくか。
違法建築物を通報されて罰の爆弾をらうか」
たけしさんの差しが、恐ろしくった。